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クリスマス編 5 ただ静かに、深くへ、濃密に

 帰ったら睦月がすでに帰ってきていて、おかえりなさいって笑ってた。伊都はおおはしゃぎ。君がいなかった間の出来事をあれこれ披露するのが止まらなくて、くっ付いて離れなかったもんね。 「向こうはあったかくて、冬の寒さに慣れてたから、急に春めいた気候はなんか不思議でした」 「そ、なんだ。大変、だったんだね」 「えぇ、大変だった。ずっと、風邪っぽくて」 「そう、なの?」 「ずっと、熱っぽくて……風邪じゃないよ? したかった」 「はぁぁっ、ン」 「……伊都、テンション高かったですね」 「だって、睦月、が、帰って来た、からっ」 「……寂しかった?」 「んっ、つっ、ン……」 「千佳志さんも」 「寂しかった、よ」 「どのくらい?」 「ん、ぁっ、たくさん」 「……どんな時に俺のこと思い出しました?」 「ご飯、食べてる、時、とか、寝る時、とか、あと、普通にふとした、時に、もっと、いつも、思い出した、ぁっ」 「俺もです」  首にしがみ付いて引き寄せながらキスをした。薄く開いた唇を睦月の舌に抉じ開けられただけで、感じて眩暈がするくらいに寂しかった。  肌のあっちこっちにキスをくれる。そのキスの心地良さに堪えきれなくなった吐息が言葉の合間にまざってる。 「睦月、もっと、たくさん、して」  君とこうしてベッドに倒れ込むのをずっと待ち詫びてたんだ。 「ぁ、はぁっ……ン」  睦月が帰ってくるの、待ってたんだよ。  ずっと待ってたって、見せびらかすように、脚を大胆開いた。 「睦月……」  愛しい人を呼ぶ自分の声の甘さに照れくさかった。伊都を起こしてしまわないようにって、小さな声で、こっそりと呼んだ声がとろりと蕩けていて、甘ったれてて、恥ずかしい。 「千佳志さん」 「あっ」  でもそんな甘ったれた声で呼んでしまうくらいに、君に抱かれたくてたまらなかったから。 「中、して? 睦月」  蕩けてしまいそう。 「んっ……ン、ぁっ……はぁっ」  喘ぎ声を零してしまわないよう、手の甲を唇に押し付けながら身悶えてるとね。 「ンんんっ」  快感も外に逃げてくれない気がするんだ。口から吐息と一緒に吐き出せたりできないから、快感が身体の中にどんどん溜まっていっちゃう。  もう、我慢できそうにない。 「ね、睦月」  ぬちゅくちゅと中指が内側を擦る度に感度が上がっていく。 「あの、ね?」  指にほぐされるとたまらなくて、切なさが込み上げてくる。  君の指のほうが何倍も気持ちイイ。だから、もう、したい。 「平気、だよ?」  十日も抱かれてない。十日もセックスしていない。十日もしてなかったら、ちゃんとほぐさないと君のは入らない。 「もう、挿れて、平気だから」 「……」 「昨日、した」  やっぱり自分でするのは、少し苦手。 「ここ……自分で」  君の指のほうが何倍も気持ちイイから。 「千佳志さん、一人で、したの?」 「し、たぁっ……ぁ、あっ」  指が抜けるのさえ快感だった。期待に身体が震えるほど。 「あぁっ! はぁぁっ……ン、ん」  君の熱がそこを貫くのを期待して、溶けてしまいそう。 「千佳志さん、待てなかった?」 「ぁ、うん……ン、っ」 「俺が帰ってくるの」 「ン、待て、なかった」  だから、早く貫いて。 「場所は? 俺のベッド?」 「っ」 「貴方の匂いがした」 「!」  君のことずっと待ってた。 「ね、千佳志さん、俺のベッドで寝てたの? 帰ってきて、少しだけ仮眠とったんだ。引率だから解散するまで何かと忙しくて。寝転がったら」 「……ぁ」 「貴方の匂いがした」 「あ、あぁ」  問いながら、ゆっくり睦月のペニスが入ってくる。太くて、熱くて、昨日慰めようと代わりにした指なんかと全然違う熱が奥に届く。届いて、引いて、また届いて。また――。 「あ、ン……睦月」  奥から、繋がった孔までトロトロに溶かされそうなくらいに熱いペニス。睦月の、たまらなく気持ち良くて蕩けてしまいそう。 「ここは……触った?」 「あっ、あぁ」 「千佳志さん」 「ン、ふぅ……触っ、た」  目を細めて、口元をほころばせて、睦月の舌が捕らえた、硬くなった、やらしい乳首。 「ぁ……ぁ」  一人でした時、そこを触ったら、中が、きゅうきゅう締め付けた。甘ったるく絡みついて、すごい、やらしかった。 「はぁっ」  いつも睦月に。 「千佳志さん」  その顔をさせてる時、俺の中はこんなにやらしく君にしゃぶりついてるんだってわかって、興奮したんだ。 「ぁ、あっ……ン、睦月ぃ」 「っ」  あんなに狭く、吸い付くそこを、睦月のペニスが抉じ開けていく。きゅぅぅんって切なげに指に絡みついたあそこを太いペニスが突き刺さって、貫いて。 「ぁ、ン」 「千佳志さん」 「指、で、したの」 「……」 「自分の指を挿れた。お尻のとこ。睦月のベッドで寝て、睦月の匂い嗅ぎ、ながら」 「……」  ぎゅってしがみついて、欲しかった人の素肌にキスをした。噛み痕のような、キスマークのような印をぶきっちょだけれど刻み付けて、そして、もっとたくさん脚を開いた。 「ここ、指、入れたけど、睦月のみたいに太くなくて、奥の突いて欲しいとこにも届かなくて」 「っ」 「でも、ね? でも、俺の中、熱くて狭くて、ね」  見て? ここ、睦月のペニスが抉じ開けたとこ。 「睦月はここでいつも射精してるって、思ったら、興奮、した、ぁ」 「っ、千佳志さん」  セックスの時、後ろから突かれる時みたいにした。そしたら、匂いがたくさん嗅げるから。 「ぁ、匂い、も、好き」  目をぎゅっと閉じて。 「睦月の声、思い出して」  言葉でも攻められる時のことを思い出した。低い声、掠れた感じがセクシーで。 「だから、名前呼んで」 「っ」 「千佳志って、呼ばれながら、ぁ、っ……睦月の太いの、想像して、イったけど、本物に、して、欲し」  奥まで貫いて。少し強く、入っちゃいけないとこまで来るくらいに攻め立てて。乳首を食べて。先走りでびしょ濡れの俺のペニスも可愛がって。それから、それから――。 「睦月のこと欲しくてたまらなかった、お尻、も、可愛がって」 「っ」 「あっ!」  ぞくぞくぅって、込み上げてくるのは甘い蕩けた快楽。激しい感じじゃなく、ただ、深く濃密で、そして、静かに。 「あっ……はぁっ……っ、っ、っ!」  イかせて――。

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