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第5話 ロジの独白②

 ミトが私の破綻した結婚生活を聞いて来た事で気まずくなった。本当は今すぐ抱きしめたい。まだ私の中に、過去がわだかまっていた。  ミトを私の性癖に引きずり込んではいけない、という逡巡。ミトは誤解したかもしれない。涙を隠して帰って行った。追いかけて抱きしめたい。20才も年上だという事が私を引き留めるのだ。  次の日、ミトは来なかった。気が狂いそうだ。いい年をして、私は恋に落ちた。  ミトにとって私はただの暇なおじさん。宇宙に興味のある物好きな・・  何も知らない穢れのないミトに、手を出してはいけないのだ、と戒めてきた。  私はゲイだ。時としてバイでもあるが、それは行きがかり上、抱かれたいという女に恥をかかせない為の行為であって、本当に抱きたいのは男だ。男同士は奥が深い。  ミトが来なかった夜、寂しさに昔のセフレを呼んだ。近くに住んでるわけではないのに、いつでも呼べば愛車の真っ赤なフェラーリで飛んで来る。小鉄。美容師でドラァグ・クイーンでテクニシャン。腐れ縁だな、付き合いは長い。 綺麗な男だ。 「ロジが抱いてくれるだけで嬉しいのよ。 手に入らない男でも、身体を求めてくれるだけでいいの。」 健気な小鉄。いつも私を待っていてくれる。 「あ、あ、ロジ。」 小鉄の肛門は濡れて開いていた。ローションを塗り優しく愛撫して指を入れる。  でも勃起しないのだ。 フェラチオをしてくれる優しい小鉄。 「ごめんよ。今日はダメみたいだ。手でイカせてやろう。ディルドでいいか、」 こんな深夜の呼び出しに飛んで来てくれた小鉄に優しい気持ちになった。 「ああ、ロジ、また呼んでね。飛んで来るから。」 こいつを愛せたら幸せなのだろう。

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