18 / 240

第18話 ロジとミトとハジメ

  ハジメは仕事の話をしてくれた。 「現地に行けば何でもやらされる。 俺は関係ない、とか言ってられない。 動物保護の仕事をしたかったけど、野生動物を守るのと、開発と、矛盾の中での仕事は結構キツかった。」 「凄い筋肉。仕事で鍛えられた? 凄くセクシー。モテたでしょ。」 「いや、禁欲生活だ。 俺の好きなミトみたいな美少年がいなかった。」  僕たちずっと裸で抱き合って過ごしている。 加藤っていう執事の人が食事を運んできてくれる。この離れにはお風呂もあってハジメとイチャイチャしながら入る。ハジメは僕を洗うのが好きなんだ。 「昔飼ってた犬もこんな風に洗ってやったな。」 「え?」 「愛していたんだ。死んでしまった。 俺より先に。」 ハジメの寂しさが少し見えた気がする。  時々ロジが恋しくなる。 「ハジメ、僕はハジメも好きだけどロジも好きなの。どうしたらいい?」 「ロジってミトの旦那様か。 大学の先生なんだね。ロジャー五十嵐の本を読んだ事があるよ。仏教の唯識論も以前から関心があったから興味深い内容だった。 立派な人だね。」  ハジメはゲイのパーティでロジを何回か見かけていた。誰もが憧れて抱かれたいと思う、ロジはそんな男だった。  いつもはガンガン攻めるハジメも、ロジには抱かれたいと思っていた。

ともだちにシェアしよう!