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第21話 ロジとミトとハジメ

「ミト、ここにおいで。」 ロジに甘えて抱きついた。 「ロジ、ごめんね。」 ロジは僕の髪を撫でながら 「風呂に入ろう。他の男の匂いをさせているミトを抱けない。」 お風呂で傷を見られた。もう治りかけの鞭の傷痕。ハジメがやったとは思ってないみたい。 (沼田レイモン、サドの王。 ミトにした事は許さない。 私の逆恨みなのか? 私は今冷静さを欠いているな。) 今夜のロジは怖い。乱暴に抱かれた。 「ロジ、優しくして。怖いよ。」 「優しくされる権利があるのか? 私を狂わせて。ミトはこの手で殺さないと 私のものにならないみたいだな。」 ロジの目が怖くなってる。両手で首を掴まれた。 でも凄くセクシーで、僕は一瞬、殺されたい、と思った。 「ロジの好きなようにして。 僕を殺すの? 構わないよ。ロジの気が済むのなら。」 ロジの手が優しくなった。 「ああ、ミト、どんなに心配したかわかるか? 寂しかったよ。私を捨てないでくれ。」 ロジがそんな事言うなんて。 嘘っ?僕の胸で泣いてるみたい。 ロジの髪を撫でた。ロジが僕を腕に抱いて背中の鞭の傷を舌で探りながら耳元で囁く。 「ミト、みんなが見てたね。ミトを欲しがってた。私は気にしなかったが油断した。  でもミトを連れて行ったのがあの男で良かった。私も認めるいい男だ。」

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