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第26話 ロジとミトとハジメ
ロジはデスクワークが多いし、僕は引きこもりで、ハジメみたいな人間は新鮮だった。ハジメは野生児だ。
「ガキの頃から山が好きで親父と山登りしたよ。
曾祖父さんは南部藩士だったけど、マタギが本業みたいだったって。岩手のマタギだ。俺は憧れてた。」
「動物を殺すの?」
「必要な時だけだって。遊びで狩猟するのはダメだよ。俺は動物保護区を周って絶滅危惧種の実態を調査してる。それだけじゃないけどな、仕事は。」
「危険な所もあるの?」
「うん、ペルーはヤバかった。コカとかケシの栽培地に入っていくから。保護区なのに違法に栽培している。広いからなかなか見つからない。」
「ハジメはその仕事、やめられないの?
僕、心配だ。」
ハジメは僕の心臓に耳を当てて
「ホントに心配してるんだな。
ドキドキしてる。可愛いなぁミトは。」
ハジメに抱きついて離れたくない。
「困るのはセックスだ。ゲイもいるんだろうけど俺は向こうでは男を抱かない。もちろん女も。
愛がないとダメなのと病気が怖いのと。理由はいろいろあるけど、いつも性欲を抑えるのに苦労するよ。一人でオナニーしてる。」
「初めて会った時、溜まってるって言ってたもんね。凄く激しくて興奮しちゃった。
そういう事だったのか。僕に魅力があった訳じゃないんだ。」
ハジメは僕を優しく愛撫しながら
「ミトの事はいつだって欲しいんだよ。
むしゃぶり付きたいよ。
ミト、エッチなキスをして。」
ハジメの強い力で抱かれてもう、ダメ。
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