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第35話 インド・ネパール編
ハジメの長い髪、僕は触っていいんだ。指を入れて髪を持ち上げる。ハジメの太い首に舌を這わせる。首にキスマークを付ける。首の後ろから髪に鼻を突っ込んでハジメの匂いを堪能する。
「ハジメの匂い、いい匂い。
セックスだけじゃないの。身体中触りたい。」
くるっと抱きとられてハジメが上になる。耳を舐められる。
「うふ、そこは感じすぎる。ダメ、耳を噛まないで。」
甘く噛んでくるハジメの愛撫に下半身が疼く。
「あ、あ、ハジメ、また欲しくなっちゃった。」
「ミトは可愛いなぁ。
俺、今の仕事が終わったらもう海外には出ないで済む仕事にしたい。ミトと離れられないよ。
少しだけ待っててくれるかい?」
次の日バラナシへ行く列車に乗った。
とりあえず足腰はなんとか立てたから。ハジメが激しすぎる。
海みたいに広い河。ガンガーの河岸。人々が沐浴をする。観光客も多い。
濁った水にいろいろな得体の知れないものが混じって流れてくる。雑多なゴミの中には犬の死骸もある。流れはゆっくりで、だから水は濁っている。酷い臭い。それに負けないお香の匂い。混じり合って強烈だ。
束の間の安定。もうすぐ雨季になる。ガンガーが洪水になる。流れが早くなり、何もかもが流される事もある。
何か焚き火?煙が所々立ち昇る。
「火葬をしてるんだ。人を焼く煙。」
僕は繋いでいたハジメの手に力を入れる。
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