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第36話 インド・ネパール編
「ここではこれが普通。
俺たちの常識の方が違うんだ。」
僕は今までの価値観をもう一度考え直してみた。
「これが真実、正しい、なんて決まりはない。
世間の常識ってものからしたら、俺たちは間違ってるのか?」
ハジメがキスしてくれた。
「うん、僕たちは周りに合わせた生き方はしてないね。ゲイは異端者だと思われる。
ロジとハジメと僕が3人で愛し合ってるなんて、誰にも理解されない。」
ハジメが乞食みたいな人と話をしている。
ルンギー(腰布)を巻いただけの痩せたおじいさん。地面に座って一本一本バラで並べてタバコを売っている。
「ジョイントを作って観光客に売るんだ。
マリファナだよ。」
その仙人みたいな乞食みたいな人は僕に小さなパンをくれた。クッキーかな?パクッと一口で食べたら色が飛んだ。ハジメが抱いていてくれる。
束の間の宇宙。世界は美しい。
「一口で食べちゃダメだよ。吐き出せ。」
ハジメの舌が僕の口を探っている。
「もう飲んじゃったよ。ハジメ、愛してる。
世界は愛に満ちてる。」
「ミトの食べたのはチャラスがほんの少し練り込んであるパンだな。」
小麦粉に大麻の樹脂をごくわずか練りこんで焼いたサドゥたちのおやつだって。僕は経験がないので少量でも効果抜群だったらしい。
バングはマリファナの事。公営のバング売り場もある。バラナシ名物のバングジュース。知らないで飲んだら怖い事になりそうだ。
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