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第39話 インド・ネパール編
「ドラッグで勘違いする人間が多いんだ。
ストーンドしないアッパー系のドラッグならマシだけど、俺はドラッグに逃げたくない。
ドラッグにハマって廃人になる旅行者は多い。
昔ほどじゃないが、日本人も多いんだ。」
「ハジメ。」
東洋人の男の人と背の高い黒人の女の人がやって来た。
「やあ、マコチンとメドウズ。
俺の恋人、ミトだよ。日本から来たんだ。」
「こんにちは、ミトです。日本語が通じるの?」
「はは、俺たちは日本人だ。二人とも女だよ。
でも夫婦だ。もう10数年、NGOの仕事をしてる。」
メドウズは黒人と日本人のハーフで国籍は日本。旦那さんのマコチンは顎髭なんか生やしていて、でも戸籍上もまだ女、だそうだ。おっぱいを取ってしまって男性ホルモンを注射してるんだって。どう見てもかっこいい男にしか見えない。でもメドウズより背が低い。それだけが残念なんだって。
メドウズは黒い肌も美しいけど、またその漆黒の瞳が素晴らしい美人だ。
「俺たちはレズビアンの夫婦なんだ。
ここではメドウズはカーリーとか言われる。
カーリー神だって。」
ヒンディー教の真っ黒い顔の女神だ。
日本からの旅行者がドラッグにハマってトラブルを起こすと、彼らみたいな人たちが助けるらしい。80年代にも、インドブームがあって多くの学生とかが帰れなくなった。みんな、インドでは合法のドラッグに捉まって廃人になる。
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