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第40話 インド・ネパール編
帰りたくなくなるけどお金もビザも切れて不法滞在者になる事が多かった。強制送還で出国させられてもうまく日本に帰らず、行方不明になる者も多かったらしい。
今は表面的には減ったと言われるが水面下でむしろ増えている。
代々そんな人を助けるNGO。その中でも特に、お仕着せの行政機関では救い出せない人を見つける仕事、だって。
メドウズは日本ではロックシンガーだった。マコチンは料理人。十数年前、友人が行方不明になったのを探しに来たのがきっかけで、バラナシでこのNGOを知り、手伝って来たけど、もうそろそろ日本に帰るらしい。
僕はここで様々な事を学び、考えさせられた。
ハジメの告白を聞く。
「もう10年以上前だな。俺は外語大の学生だった。同じ大学の先輩に恋した。ずっとゲイである事を隠していた。先輩はそんな俺を解放して抱いてくれた。
先輩は常軌を逸した人だった。ある日インドに行くと言った。俺も先輩を追いかけるようにインドについて来た。惚れてたからね。
インドに来て、最初はデリーからインドに入ったから街も近代的でそんなにカルチャーショックは無かった。ガンジャが簡単に手に入る。そして旅行者はもっと強い麻薬を求めて、バラナシに来るんだ。」
サドゥたちが輪になって座ってチロム(パイプ)に詰めた大麻を回し飲みしている。
「シャンカラ シヴァ シャンカラ シヴァ シャンボー マハテヴァ」
サドゥたちがチロムを回しながらマントラを唱えている。
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