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第55話 ロジとミトとハジメ

 ロジが僕を膝に乗せて 「ミトは凄く大人っぽくなったね。」 「うん、人は死ぬんだって、目の当たりにした。 いろんな事考えたよ。  みんなガンジャとかやっててハッピー、一見幸せそうだった。」 ハジメが僕の手を握って聞いている。 ロジが蕩けそうなキスをくれた。 「でもそれは怖い現実からの逃避みたい。 僕は気付いたんだ。  薬の力を借りないで生きる事は怖い事。でもロジを思った。ロジはいつも正気でいるよね。 お酒も薬の力も借りない真っ直ぐなロジを思ったら、どうしても帰りたくなった。」 僕は泣きながらロジに抱きついた。 「頑張ったな。 ハジメがついてるから心配はしてなかったが、私無しでいろんな経験をしたのだろう。 ポカラでの暮らしは羨ましかったな。 ヒマラヤを眺めながら、お前たちとヤリまくりたかった。」  出会った頃のロジは、いつも誰かをそばに置いて、セックスしない日なんてなかったって聞いてる。  それなのに僕達がインドに行ってた間、本当に禁欲生活だったんだ。 「ロジ、寂しがり屋なのに一人でいたの? 一年近くも誰ともしなかったの? 年取ったって事?」 「おいおい、ミトを抱き潰してやろうかな。 ははは、誰かを見つけるのが面倒だったんだよ。 ミトとハジメを超える恋人なんか何処にもいないからね。」  ロジの首に抱きついてキスした。大好きなロジの匂い。ロジの首にかじりついてる僕を片手に抱いて、もう片方の手でハジメの髪を撫でている。 ハジメが可愛くなってる。改めてロジの懐の深さを感じた。  僕たち三人で完璧だ。

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