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第60話 3人

 帰りの車ではずっと重苦しく沈黙するハジメがいた。 「寿司を食いに行こう。 神楽坂の二葉寿司はどうだ?」 ロジが雰囲気を明るくしようと声をかけた。  寿司は美味しかった。二葉の寿司は美味しいに決まってる。 「ハジメ、少し酒も飲め。 大将、寿司に合う酒を若い二人に出してやって。」 ハジメはだんだん元気が出て来たみたい。 「酒、冷でください。茶碗で。」 豪快に酒を飲み寿司を食らう、いつもの男くさいハジメに戻った。僕もお酒飲んで気持ちよくなった。 「俺、親父にはわかってもらえない事を知ってたのに、3人でいるのがあまりにも自然だから、わかってもらおうと甘えていました。勘違いした。 ロジにもミトにも嫌な思いをさせてしまった。 それが悔しいです。」 僕はハジメの手を握った。愛しいハジメ。 ロジも 「私は今でこそ誰にも隠さず大学でもカミングアウトしているが、理解されない方が当たり前なんだよ。気にする事はない。嫌な思いなんて慣れているよ。 私はハジメもミトも愛している。それだけの事だ。」 はっきり言ってくれた。  僕,早く帰って愛し合いたいって思っちゃった。  家に着いたらロジがハジメにキスした。ソファに倒れ込んで激しいキス。口の中を強く吸って舌を入れて、貪る。舌を絡ませて唾液が溢れてる。

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