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第66話 3人

 ハジメが起きて来た。 「ハジメ、大丈夫か?風呂に入れるか? 一緒に入って洗ってやろう。おいで。」 二人でお風呂に入った。いつも激しく愛し合った時は、ロジがお風呂で洗ってくれる。 力が入らなくてロジに抱かれて全てを任せる。 凄く安心して幸せな気持ちになるんだけど、気持ち良すぎてもう一回、なんて事になる。  ロジに抱かれてハジメが出て来た。 「ふぅーなんか生き返ったみたいだ。」 それでもロジの首に抱きついて離れない。 「ロジ、ロジ愛してる。」 また濃厚なキスが始まった。ロジがタオルでハジメの髪を拭いている。大きなネコだな。 「僕、お味噌汁作ったから、ご飯食べるよ。 炊き立てだよ。」 ロジもハジメも食卓についた。 「ジャガイモとタマネギのお味噌汁。 僕これが好きなんだ。」 「うん美味い。和食だね。おふくろの味だ。」 「梅子ばあちゃんの味だよ。」 ご飯が進む献立だった。  食後の紅茶を飲んでると、ハジメが切り出した。 「俺の仕事の事なんだけど。」  インドから帰って来て,しばらくハジメは仕事をしていない。 「俺、国内で働きたいんだ。ロジとミトと離れたくない。 以前、南米のE島で石工の手伝いをした事がある。クレーンのオペレーターだ。 地震と津波で流されてバラバラになった巨石をクレーンで集めて修復して戻す仕事だった。」

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