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第67話 3人
ハジメの話は興味深い。僕の知らない、いろんな世界の話。語学が堪能で重宝されるらしい。
「日本のクレーンメーカーT社の派遣社員として現地に入ったんだ。
E島は火山で地震や津波の被害が多い。
有名な巨石象も修復が必要なんだ。」
その時のT社からまた仕事の依頼があったそうだ。会長のTさんからの直々のお誘い。
「海外なら断ろうと思ったんだけど、国内だから
いいかな、って考えてる。」
「ハジメは大型重機を扱うのが得意なのか?
免許を持ってるんだな。」
ロジが訊く。
「ええ、いろいろ取りました。
室内の小さい仕事が性に合わない。
力仕事、外仕事がいいんです。」
家にはロジが使う簡単なトレーニングルームがある。そこでハジメはいつも何かしら使って鍛えてる。
身体を使うのが好きなんだって。だから筋肉が凄い。見てるだけで感じてしまう。あの太い腕で抱きしめて欲しい、なんて思うのは僕だけじゃないよね。ロジも鍛えてるから、普通にお腹も割れてセクシーだけど。ロジは少し胸毛がある。それもセクシーだ。
ハジメは大胸筋も割れた腹筋も凄いんだけど、後ろから見た背中が凄い。逆三角形で、分厚い肩から引き締まった腰と太い腕が芸術品のようだ。
「ボディビルダーになりたいわけじゃない。
以前通っていたGジムで気の合う友達が出来て、彼のストイックな筋肉に対する姿勢に影響を受けたんだけど、大会を目指す気はなかった。俺は背が高すぎるみたいだ。
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