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第88話 ハジメとタカヒロ
Gジムにタカヒロを連れて来た。
「ガンジー、俺の恋人タカヒロ。
一緒に暮らしてるんだ。」
「あ,こんにちは。
いい身体してるね。すぐ筋肉付きそうだ。」
ガンジーが初心者のタカヒロにウォーミングアップとストレッチのやり方を教えてくれる。
トレーニング理論をしっかりこなすガンジーは、初心者用のセットを組んでくれた。ガンジーはヘビートレーニングを実践しているので、身体の各部位の筋肉の成長に影響を与えるウェイトトレーニングのためのセットだ。
一通り簡単に教えられてタカヒロはもう音を上げている。
「ふーっ、キツイっすね。
体力はある方だと思うけど、一つ一つの筋肉を意識した事はなかった。」
タカヒロはいつも俺がジムに通って、ガンジーと二人で身体を鍛えているのが気に入らなかったようだ。二人っきりで何やってるのか、と聞いてくるのでジムに連れてきた。
これでわかっただろうか。筋トレにヤキモチの入る余地は無い。
「ガンジーありがとな。
タカヒロは本気でやるかどうかはまだ決められないみたいだけど。
ガンジーは相変わらずあのアイドルをおいかけてるのか?」
「ああ、彼女はもう引退してアイドルじゃないから、今度プロポーズしようか、と思ってる。
今年の大会で入賞したら,って思ってるんだ。」
「もう何年も彼女一筋。ガンジーはノンケなんだよ。タカヒロ安心しただろ。」
このところ、ずっとグズグズしていたのが、これてハッキリしただろう。
(タカヒロは俺を愛し過ぎてる。執着し過ぎなんだよ。 不安にさせているのは俺、なのか?)
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