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第90話 ゲイパーティ
それにミトを見つけた思い出の場所だ。ロジャーの本拠地のような場所だ。自分の中では封印していた。そんな場所にタカヒロを連れて行くのは気が進まない。
「ハジメはオレの望みを聞いてくれないの?」
しぶしぶ金曜日の夜、パーティに連れて行った。
相変わらず賑やかで華やかで煩い家。金曜日が最高潮だ。
ソファに座って、オシャレなスーツが似合うタカヒロにキスした。場所が変わると新鮮だ。
賑やかなフロアが一瞬静かになった。
「ロジャー久しぶり。」
「ロジャー、アマンは?」
「ロジャー、その美人は誰?」
新しいロジのアマン?人気のあるロジャーが今夜連れているのは誰だろう?
一瞬静かになった。ゆったりしたスーツが粋なロジャーが肩を抱いているのは、絶世の美女?妖精?この世のものとも思えない色っぽくて、でも性を感じさせないフワフワとした存在。みんな、初めてのゲストだと思ってるらしい。
ハジメたちの隣のソファに座ってロジャーは彼を膝に乗せた。彼?なんだろう、ゲイパーティなんだから。華奢な身体を薄いブラウスが申し訳程度に覆っている。透ける生地の細いウエストにロジが手を入れている。この上ないエロさだ。身体をロジの大きな手が直に触っている。下はティーバックの下着が食い込んでいるのが見える。
なんて色っぽいんだ。ロジの首に抱きついていた顔をこちらに向けた。綺麗に化粧している。美人だ。キツい目をして人の心を鷲掴みにする美貌。それはミトだった。
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