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第96話 夢を見た
ーー「ハジメ、久しぶりだね。」
目の前をミトが歩いていた。
「ハジメ、ウチに帰って来る?
1人で帰って来て。僕寂しくて眠れないんだ。
ロジも寂しがってるよ。」
ミトはハジメの腕を掴んで歩いて行く。
「どこへ行くんだ?
歩いて帰れる距離じゃないだろ。」
ミトはどんどん歩いて行く。
「待ってミト。」
その手を離さないように俺は必死だ。もう絶対離すものか!
ミトは楽しそうに歩いて行ってしまう。
(あ、あ、やっぱりこれは夢だ。)
夢の中でミトは楽しそうに笑う。声を立てて笑いながら行ってしまう。
「ミトっ、ミト待って。俺を置いていかないで!」ーー
目が覚めると俺は泣いていた。
ピンポーン! ロジの家。
ドアを開けるとハジメがいた。
「わぁ、どうしたの?久しぶりだね。一人?
タカは?」
素顔のミトがいた。可愛いミト。
「ロジっ、ロジ、ハジメが来たよ。」
ハジメの首に抱きついてキスしながらロジを呼んでいる。
「ミトは欲張りだなぁ。そんなに抱き付かなくてもハジメは逃げないよ。」
笑いながらロジが来た。
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