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第105話 再会

「タカヒロ久しぶり。 卒業でしょ。これからどうするの? 就職活動してた?」 女の子が声をかけてきた。 「やあ,懐かしいな。何でここにいるの?」 「彼氏がここの大学で、今日はついて来ちゃった。私は社会人だよ。短大だったからもう就職してるの。」 高校生の時、初めて付き合った娘だ。 「綺麗になったね。」 「タカもカッコよくなった。 背が高くてイケメン。」  向こうからハジメが歩いてきた。人目を惹くカッコ良さ。 「紹介するよ。オレの恋人、ハジメ。」 ハジメは女の子に気付いて 「あ、タカの友達?こんにちは。」 「こんにちは。恋人って事はやっぱりあの噂は本当だったのね。タカがゲイだって。 私たちは結局、清い仲のままだったね。」 明るく笑う女の子はとてもチャーミングだ。 「じゃあね。今度、飲もう。彼氏も一緒に。 さよなら。」 感じのいい女の子だった。  ハジメはさっきからあまり喋らない。 「どうしたの?なんか機嫌悪い?」 「いや、あの女の子,タカにお似合いだな、って思ったらちょっと、な。」 「ヤキモチ妬いてくれた?」 「あんな子がタカを幸せに出来るんだろうな、って思ったら寂しくなった。」 タカはハジメに抱きついて 「嫌だ。勝手にそんな事言わないで。 ハジメは俺から逃げたいの?この頃、変だよ。」

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