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第107話 再び4人

「ロジ、どうしたの?随分急だね。」 ロジは困ったような顔をして 「研究室に所用があったのだが、ミトがまたムーディーな気分に落ちて、一人にして置けないから一緒に来たんだ。ここに連れて来るつもりはなかった。ミトはよくここがわかったな。」  ミトは以前から、時々気分が落ち込む事があった。そうなるとしばらく戻って来ない。塞ぎ込んでしまうのをロジはムーディーと呼んでいた。落ち着くまで優しく抱いている。キスしたり身体を愛撫する。しばらく様子を見る。今までは大体そんな感じで戻って来たのだ。だが今日は違った。 「気分転換にドライブするか?私は大学に行かなくてはならないが用事はすぐに終わるから、その後どこかに行こう。」 そんな事を言いながら家を出て来たそうだ。 ミトはハジメに抱きついて離れない。タカヒロは嫌な顔をしている。 「ミト、元気出たか?俺はここにいるよ。」 ハジメはミトを膝に乗せて髪を撫でている。 「ミト、子供っぽいぞ。タカヒロに失礼だ。」 ロジがたしなめてもハジメの膝から離れない。 「僕,我慢してたんだ。タカヒロがハジメを連れて行ったから、寂しかったけど我慢したんだ。 ロジとハジメと,二人いないと僕は寂しくて死んでしまう!ハジメを返して!」  ミトの瞳から涙がポロポロと溢れる。本人は泣いている自覚はないのだろう。涙が流れるに任せて訴えているのが切ない。 「冗談じゃないよ!大人のくせに。オレより年上でしょ。人の家に来て勝手な事言わないで! 帰ってください。失礼すぎるよ。」 タカヒロは理解出来なかった。ロジとミトとハジメの関係が。一瞬にしてこんな修羅場が始まるとは。

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