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第118話 ミトとタカ
「何してたの?僕お邪魔じゃなかった?」
「大丈夫。本を読んでた。考古学って面白いんだよ。大学辞めようと思ってたんだけど、ハジメは辞めるな、って言うからお勉強してた。」
珈琲を淹れてくれた。家ではいつも紅茶だから珈琲は嬉しかった。
「すごく美味しい。」
「カフェでバイトしてたから、自信あるんだ。」
「タカは僕の事、嫌い?」
「ううん、ハジメを挟まなければ、別に嫌いじゃないよ。」
「この前の事、謝りに来たんだ。僕のわがまま。
ごめんなさい。」
タカヒロは、ミトの手を握ってくれた。
「ああ、オレもやさしくなかったね。
この頃不安だったから。
ハジメが別れようって言いそうで怖かったんだ。
オレの思い過ごしかもしれないのに、何だか嫌なことばかり想像しちゃって。
オレも自立しなくちゃ、なんだ。」
思わずタカヒロにキスしていた。
「ハジメが好きなタカなら僕だって大好きだよ。
覚えておいてね。」
タカヒロがハグしてくれた。
「今日はスーツなんだね。カッコいいよ。
ミトは何でも似合っちゃうね。」
「スーツ着ても行く所ないから。」
「ああ、ミト。オレ、ミトのイメージ勝手に作ってた。ロジャー先生に甘えて、何でも持ってるわがままな奴、って思ってたよ。」
「僕は何にも持ってない。ロジに捨てられたら死んでしまおう,っていつも思ってる。
でもハジメも好きなの。」
「それは困る。オレは分け合うなんて出来ないよ。」
「そうだね。タカはロジとセックスするべきだ⁈」
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