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第125話 ポスター
クラシックなイギリス風の内装のスタジオで優雅な手つきで紅茶を飲むシーン。緊張する。
「ロジャー先生、向かい側に座って一緒に紅茶を飲んでください。ミト君の緊張がほぐれるように。」
「ロジャー先生も素敵だから、一緒にポスターに入らないかしら。」
「おいおい冗談だろ。私は今日はただの付き添いだよ。」
もちろんロジが写り込む事はない。ロジが一緒なのでミトは大分落ち着いてきたようだ。優雅に紅茶を飲んでいる。
「はい、カット。休憩しましょう。」
小鉄とロジとスタジオの後ろで、用意されていたケーキを食べる。
「試し刷りみたいなのを見せてもらったわ。
さっき撮ったイギリス紳士版とこの前の庭でのスナップを組み合わせてカッコいいわよ。」
「もう出来てるの?」
スタッフがゲラを持って来てくれた。
「これこれ、いいでしょ。ミト君カッコいいわ。」
「気取って紅茶飲むのがいいね。」
「ロジ、僕疲れたよ。ヨシヨシして。」
(ホントはキスして欲しい。)
ロジの前ではやっぱり子供だ。甘えたくなる。
一般に公開された途端[サー・リチャーズ商会]の紅茶のポスターは話題になった。もの凄い人気で掲示される端から盗まれてしまう。
「ポスターのあの子は誰?」
今までマスコミに露出しなかった美少年。年齢不詳の謎多き美少年。
街はその話題で持ちきりだった。
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