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第131話 ロジとミト
「芸能デビューする気はないんだろ?」
「うん、疲れたよ。もうやりたくない。
もともと[サー・リチャーズ商会]の仕事以外やるつもりはなかったんだ。
[白薔薇]のお姉さんたちは面白くて好き。
ファン・ミーティングみたいなのをやるって言ってる。」
「ロジ、何か疲れたね。」
このところ、いろんな人と出会ってミトにしてみれば緊張の連続だったかもしれない。
「ロジ、お膝に乗ってもいい?」
人の目が多くてそんな事も気軽に出来なかった。
ミトを膝に乗せてキスした。キスも人目を憚りながら、だったのだ。
久しぶりのゆっくりしたキス。二人きりになるのも久しぶりだった。
軽く噛んで舌を探す。柔らかい唇。だんだん夢中になる。シャツのなかに手を入れて素肌を触ると腰がピクンと跳ねる。
「ミト、敏感になってるよ。」
耳元で囁くと
「ずっと落ち着かなくて集中出来なかったからね。今日はロジにたくさんしてもらう。」
可愛いミトにまた絡め取られる。
「キスだけでイッちゃう。あ、あ、触って。」
もう下着を持ち上げて屹立したペニスを擦り付けてくる。
「今日のミトはエロいな。たっぷり可愛がってやるよ。」
ミトは嬉しそうに抱きついてくる。
二人でも完璧な愛の暮らし。ロジは満足しているが、ミトには少し不満が残る。
いつもただ可愛いだけじゃない。思い立ったら、意外な行動を起こすのだ。
いつもハラハラさせられる、小悪魔的だ。
だからロジは出来るだけミトの望みを叶えようとして来た。ハジメを受け入れて3人で暮らした。ロジもハジメは好きなタイプだったから、それは楽しかった。
今でもミトはハジメを求めている。もちろん、ロジがあっての事だ。でもそれだけじゃ足りない。ロジもハジメが欲しい。
寂しさを二人で埋め合わせてなんとか乗り越える。これはツラいばかりで楽しくない。
あの、燃えるような隠微なセックスをもう一度、と身体が欲しがっている。ミトも、ロジも。
心置きなく3人で絡み合ったあの日々が懐かしい。ハジメはどうなんだろう。ミトとロジを欲しくならないのか?
今ひとつ寂寥感を拭えないでいる。
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