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第187話 老人たち

「ロジ、今夜も凄く素敵だ。」 着くずしたタキシードに、はだけたドレスシャツ。ロジが着るとだらしなく見えない。凄くセクシーだ。 「僕のそばにいてよ。昔のアマンが来てもキスしちゃダメだからね。」 ミトに念を押された。  賑やかなショーが始まった。セクシーで品のある小鉄たちのダンスショー。  息を切らして隣に滑り込んで来たカッコいい男、ジョーちゃんだった。 「遅かったな、ショーには出ないんだ?」 「ジョーちゃん、カッコいい! 今日はどうしたの?」 「うん、終わったら、小鉄に大事な話があって。」 「もう始まるよ。」  ハジメが奥のVIPルームに呼ばれた。タカが心配そうに見ている。  老人たちが、あまり音楽のうるさくない奥の部屋で待っていた。 「久しぶりです。ご無沙汰してすみません。 俺の方は少し生活が変わりましたが。」 老人たちはニコニコして 「タカヒロ君と仲良く暮らしているそうじゃな。」 「え、タカを知ってるんですか? ちゃんと紹介しなければと思っていたのですが。」 「いやぁ、色々な所にワシらの知り合いが多くての。噂は入ってくる。 この度はロジャー君が、大変な思いをしたらしいのぅ。インターネットとは厄介なものじゃ。」 この老獪な爺様たちは、何でもお見通し、のようだ。老人の情報網、恐るべし。

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