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第193話 S.M逆転

「レイモン、今日はもう我慢できない。 抱いて欲しい。」  サドの王、沼田レイモンのプレイは、マゾの客を抱かない、セックスは、しないのが決まりだ。 虐めて鞭で遊ぶ。そんなに強く打たない。戯れるだけだ。言葉で焦らし苛める。  時に、身体を撫で回して客が我慢出来なくなると突き放す。レイモンの指技は絶妙だ。 セックスを欲しがる客を焦らすのが、レイモンの最も得意とするプレイだ。だから本番は無し。  しかし唯一レイモンの寵愛を受けているのは尊だ。尊はレイモンが本気で愛する男なのだ。 「レイモンお願い、僕もうダメだ。」    レイモンのボンデージスーツには鍵が付いている。背中の自分では手の届かない所。5つの小さい鍵が背中に並んでいる。仕事の前に鍵を一つ一つ掛けて行くのも尊の役目だ。  ペニスを締め付けるようにキツく締まった革製のパンツ。ここにも小さな鍵が後ろ側に付いている。レイモンの股間を撫でながら 「かわいそうに。こんなに締め付けて。 僕の大事なレイモンの逸物が、苦しいって言ってるねぇ。」 優しく撫で回す。形勢は逆転したのか、レイモンは尊の言いなりだ。  誰にもさせないレイモンのセックスは尊だけのためにある。しかもレイモンが受け、なのだ。 「お願い、尊、早く脱がせて。私の逸物が食い込んで痛いの。」 SとMが逆転する。 「大きくしちゃうからだよ。勝手に勃たせて、イケナイ子だね。大好きなレイモン。 可哀想に、今外してあげるからね。」 そう言いながらも尊の手つきはわざとゆっくりだ。背中の鍵は南京錠。手の中の小さな鍵で外していく。時々、革のパンツの上から逸物を撫でる。 「あ、あ、あん、早く尊に触ってもらいたい。 もっと強く掴んで。もっとよ。」 わざともどかしい手付きで鍵を外す。

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