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第195話 友也

 友也はいずみちゃんに会いに来た。スーパーのレジは忙しそうだった。  友也は誰かと話したかった。 「四時には終わるから、隣の公園で待ってて。」 レジからいずみちゃんが言った。今は三時だ。 1時間くらいならなんとか潰せるだろう。ブランコに乗ってみた。 「待たせたね。ごめん、どこか行く?」 いずみちゃんが来た。 「仕事中にごめんね。もう終わったの?」 「うん、同僚の人に、彼氏?って聞かれちゃった。」  あれから何の連絡もしないまま、ずいぶん経つ。いずみは気軽に来てくれた。 「いずみちゃん、彼氏いないの?」 「え、友也はアタシの彼氏じゃないの?」 「違うでしょ。彼氏だったらもっと毎日のようにデートとかするんじゃないの?」 「酷〜い。アタシ誰とでも、あんな事するわけじゃないんだよ。セックスしたら恋人だ、と思ってたのに。」  あまり会ってなくても恋人なのか? 友也はいずみちゃんともう二度とセックスなんかする気はなかった。ただ、話し相手が欲しかった。  夜毎思うのは、やはりミトの事ばかり。ベッドの中で、ミトの手の温もりを思い出して拾い集めて反芻する。 ミトの笑顔。紅茶を出してくれた指先。狂おしいほどミトが恋しいのだ。やがて想いは良からぬ方へ。どんなセックスをするのだろう?ロジャー先生はミトにどんな事をするのだろう。 妄想は暴走していく。

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