147 / 240
第147話 買い物
ハジメに肩を抱かれて、これも甘えているタカヒロ。その太い腕を抱えて満足そうだ。
「今日は俺、ミトと買い物に行きたいんだ。
アウトレットに行きたい。
タカの誕生日だろ。ミトに選んで貰いたいんだ。」
突然、ハジメが言い出した。
ミトと二人になりたかった。無理矢理な口実を作ってミトを誘い出す。
「内緒にしてもタカは理由を聞くだろ。
だからもう先に言ったけど、何を選ぶか、は内緒だよ。」
「わかった。楽しみに留守番してるよ。」
「私も、一つ急ぎの原稿があるから、二人で留守番だな。」
(やった!ミトと二人になれる。この機会を待っていたんだ。)
ハジメの瞳に暗い情念が、また火を持ち始めた。
ロジは心配しないのか?
ミトとハジメ、ちょっとしたドライブだった。
アウトレットモールでは、いろんな買い物をした。ハジメは、タカに革ジャンを買った。タカの好きなブランドの物があったから。
ミトは、タカの誕生日だと言うので、綺麗なシルクのストールを買った。
「革ジャン着た時、首に巻くとカッコいいと思うよ。タカってスマートだから似合うよ。」
ロジや梅子さん、小鉄やジョーちゃんにもそれぞれ小さな贈り物を買った。
「もう、必要な物は買ったな。
ちょっと寄るところがあるんだ。ミトと一緒に。」
車はしばらく走って、ラブホテルに入った。
「えっ、ハジメ、ここってホテル?」
「そう、もう我慢出来ないんだ。ミトが欲しい。」
車のまま、入れるコテージのようだった。
ともだちにシェアしよう!