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第200話 ピアノ
友也も静かにアレンジしたビートルズの曲を弾いた。
「ロング・アンド・ワインディング・ロードだね。アルバムだとここからアクロス・ユニバースに続くんだよね。」
タカやハジメ、そしてロジまでやって来て、ミトと友也は気恥かしくなった。
「やだなぁ、遊んでるだけなのに。
ちゃんと弾くの、久しぶりなんだから。」
「楽器が出来るのはいいな。楽しいね。」
「ロジ、なんか弾いてよ。」
ピアノを弾くロジはもの凄くカッコいい。
わかりやすいジャズの曲を弾いてくれた。
「ロジ、やるなぁ。ワルツ・フォーデビー、
ビル・エヴァンスだ。」
ハジメもジャズは詳しい。楽しいひと時を過ごした。
「ロジ、かっこいい。
今日は、思ったより帰り早かったね。」
嬉しそうにロジの膝に乗ってキスして貰っているミト。
友也は、自分の入る余地はない、と思い知らされる気がした。
それでも、ロジとミト、タカとハジメ、のいるこの空間に、いつまでもいたいと思うのだった。
仲間に入れて欲しい、と。
「僕、そろそろ帰ります。また来ていいですか?」
ミトが手を取って
「もちろんだよ。友達だよ。」
「友也は研究室にも顔を出した方がいいぞ。」
また、戻れるようにロジが準備している。
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