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第159話 家を特定される?
小鉄はあの麻布の秘密倶楽部も任されて仕切っている。ビジネスには男らしい手腕を発揮する中々のやり手なのだ。
例のハジメのパトロンの老人たちが小鉄に任せている。筋金入りの衆道の老人たち。ある意味この国のフィクサーたちだ。
「ところでネットの書き込みが、ミトを中傷するだけじゃなくて、この家の所在地を暴露したり、大学に嫌がらせのメールを大量に送り付けたり、エスカレートしてるみたいなの。
サーバーがパンクする勢いだって。
自分たちの身を守って、気を付けて欲しいけど。
実際、被害はない?」
小鉄が心配なのはその事だ。ミトとロジの関係はスキャンダラスこのうえない。かれらの悪意の格好の餌食だ。
「この前、門にかけられたペンキの件は警察から連絡があったよ。犯人が捕まったって。」
ロジの言葉にみんなが驚いている。
「近くに大きなお寺があるだろう。何かの総本山だ。そこの修行僧の若者が捕まったらしい。その犯人はこの家だけじゃなくて、墓地の墓石とか地蔵とかにも赤いペンキをかけまくっていたんだそうだ。
彼の考えは違う世界に飛んでるようだ。
精神の在り方が常人とは違うらしい。暴力的で危険なんだが。」
ネットの書き込みが拡散しているなら、これからも、まだまだそんな思い込みの人たちの悪意をぶつけられることになるだろう。
「ペンキくらいで済めばいいけど。」
「警備の人数を増やすしかないかな?」
「なんか、犯罪者を増やしてるのは僕なの?
僕が人を犯罪に駆り立てるのかな?」
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