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第165話 バーベキュー

 庭でバーベキューの火起こしをしていると、ジョーちゃんの運転で小鉄のフェラーリ・テスタロッサが到着した。ロジが大きなアメリカ製の跳ね上げ式ガレージの扉を開けている。 「凄い、スーパーカーが並んでる。」 「テスタロッサってもう作ってないんだよ。 本物見るの、初めてだ。 あ、マイバッハ。これも凄いですね。 確か昔のデザインで最近再販売が始まったけど、もう手に入らないんですよ。  今買うとしたら、二千万、いや三千万クラスですよね。 レンジローバーはイヴォークですね。SUVの最高峰、なのにこんなにワイルドに止まってて感激です。」 夕子とアキラが興奮している。ロジが 「二人共、車に詳しいね。 マイバッハはお祖父さんから引き継いでいるから年式は古いんだ。」 フェラーリをガレージに入れてジョーちゃんが来た。夕子とアキラにつかまっている。 「運転、難しくないですか? 今買うと二千万円以上する車。 私、運転好きだけどこれは無理だわ。 震えちゃう。」  みんなガヤガヤと庭に出て楽しそうだ。 「二十歳以上の人と運転しない人は、ワインとビールがあるよ。」 カッコいい大きなアンティークのバケツに氷をいっぱいにして、ワインのボトルが数本と缶ビールやコーラ、ソフトドリンクが突っ込んである。 よく学生達と庭でバーベキューパーティなんかをするのでロジは慣れたものだ。 庭にバーベキューコンロが取り付けてある。大きな蓋付きで、肉の塊が焼かれている。  大学がアメリカだったロジは、こういうのは男の仕事だ、と積極的に働く。アメリカでの学生時代、五月雨たちとよくバーベキューパーティをやった。懐かしい思い出だ。

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