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第224話 倶楽部
「もうボク仕事出来ないよね。こんなタトゥー入ってたら。ホスト辞めたい。
傑に迷惑かけるかもしれないけど。」
レオンは借金こそないけれど、円城寺たちにとって金の卵を産むガチョウのようなものだ。簡単には手放さないだろう。
傑は小鉄とハジメに相談した。
「やっぱり、奥のご老人、の出番かしらね。」
「なるべく借りは作りたくなかったけど。」
「ま、俺なんか借りだらけだからいいかな?」
「あの爺様たちはそんな時の為にいるのよ。
頼りましょ。若返るって喜ぶわ。」
円城寺の店は、六本木で一番を張るホストクラブなのだ。裏に反社の匂いがプンプンする。でも裏ならあの爺様たちの独壇場だ。
レオンと傑は、小鉄に頼んで円城寺をあの倶楽部に誘い出した。
水商売も長ければあの倶楽部を知らないものはいない。だが気軽に入れるわけではない。
高級会員制秘密倶楽部、なのだ。
「俺を招待してくれるのか?
噂には聞いているが、コネが見つからなかった。
中に入るのは初めて、だ。」
連れて来てもらっただけで、小鉄に感謝している。出来れば会員に推薦してもらいたい、と言っている。
レオンの肩を抱いて傑が来た。ハジメもタカの肩を抱いてやって来た。
傑がここの会員なのと、ハジメと傑がそっくりなのと、その両方に驚いている。レオンが傑にピッタリ寄り添っているのも気に入らないが、今はそれどころではない。
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