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第225話 ミトとレオン

 小鉄があのドラァグ・クィーンの正装で円城寺の席に来た。 「いらっしゃい。一応この店を任されているのよ。円城寺さんはここ、初めてね。」 「今日は、ご招待、感謝するよ。 水商売をやっていたら是非とも会員になりたいものだが。」 「ここは、推薦が必要なのよ。残念だわ。」 「小鉄、おまえでいいじゃないか、推薦しろよ。 月商だけでも億の金を稼ぎ出してる"ディアボラ"のオーナーだぞ。恥かかせるなよ。」  あの爺様の一人が席の後ろに来た。 そして一喝。 「たわけ!この痴れ者。」 振り返って円城寺は 「なに?このじじい。誰だよ。 それより、この倶楽部のオーナーはいないのか? 直接話を付けたいね。」 小鉄が残念そうに 「入会面接は不合格よ。ね、おじ様。」 振り返って爺様の顔を見る。 「あんたはこの国ではもう水商売は上手くいかんじゃろう。頭が悪いのか、そんな人を見る目もない人間では、何をやってもダメじゃろうな。  儂はそろそろ帰るとするか。 ちょっとハジメと傑を構ってからにしよう。」  オーナーの一人である爺様は、特にハジメと傑がお気に入りなのだった。  この様子を後ろのソファでロジとミトも見ていた。ロジの膝で何か囁いているミト。  レオンとミト。タイプは違うが絶世の美男が二人、遂に邂逅した。  ミトとレオン。自分と同じ匂いがする。 ミトが恥ずかしそうに先に目をそらせた。 レオンは時が止まったような気がした。傑を見上げて助けを求める。

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