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第227話 円城寺
円城寺は大学を途中で辞めてしまった。家が貧しくて学費が続かず、生来のイケメンを利用してホストになった、と風の噂で聞いている。
持ち前の頭の良さと、負けん気の強さ、ハングリー精神で、ホストとしてのし上がってきた。その途上で、反社とのつながりも出来てしまった。
それからは美少年を集めて金で縛った強気の営業を彼らに強いてきたのだ。金儲けをさせてやる代わりに自由を剥奪する。
泣いているホストはたくさんいた。裏では評判は最悪だった。
「ロジャー先生、そちらはどなたですか?
素晴らしく美しい方ですね。
ウチのレオンに勝るとも劣らない。」
「ははは、私の妻のミトだよ。
知らなかったのかい?
紅茶のポスターになってるよ。」
円城寺も見たことがあった。思い出した。一時、テレビやネットで話題になった、謎多き美少年。
円城寺の店でレオンは稼ぎ頭だったが、こんな美少年がもう一人いたら、もう怖い物なしだ。
新宿にも負けないホストクラブにして見せる。六本木と新宿を合わせてトップに立てる。
円城寺の思考はビジネスに変わった。プライドも格式も関係ない。
円城寺はミトを手に入れる夢想に耽った。
ミトはロジの腕に抱きついて
「帰ろう。ハジメと傑はどこ?」
この男には何か嫌な匂いがする。
犯罪の匂い?狡猾な匂い?ミトの嫌いな匂い。
ロジはただ、昔の知り合いだったから声をかけただけだろう。
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