「ロジ先生は何も悪い事はしてないよ。みんな興味本位で膨らますのは辞めようよ。」 賢明な女の子たちの後ろで友也はほくそ笑んでいた。 (凄い。今まで知らなかった情報が一気に手に入った。ミトはきっと囚われの身なんだ。何でも持っているロジ先生にがんじがらめにされているはずだ。) 大いなる勘違いをしている友也は、ネットを使ってシャレにならない書き込みを続けていった。 　ネットの悪意ある書き込みで自殺者が出た事もある世の中だ。 　些細な事、と見過ごす訳にはいかない。友也はその危険性に気づいていなかった。友也は一人になってまたネットへ書き込みを始めた。 　もしミトが自分の存在を知ったら？というお気に入りのラブ・ストーリー。いつも妄想してどんどん膨らむ愛のお話。 「ある日、偶然ミトに出会う。僕たちは一目でお互いがわかったんだ。運命の人。ミトには、一緒に暮らす相手がいるけど、それは不幸せな事なんだ。本当に好きな相手ではないけれど、生きるために我慢している。ミトは，いつかきっと巡り会える運命の人を待っている。その人に出会えたら、何もかも捨ててその胸に飛び込んで行きたいと、いつも思っている。 　そして、僕と出会うんだ。二人で愛し合う。でもミトを縛る男が、しつこく、ミトを手放さない。」 (この後、どういう展開にしたらいいかな？相手を殺す、とか？) 友也は自分の妄想のなかで次第に狂っていくのか？ミトを思うとつらくて仕方がない。