5 / 32
第5話
逞しい白い肌に刻まれた、いくつもの傷跡を武器庫の薄明かりの下に晒し、仰向けになっている朝比奈少尉の上に身体を重ねようとする。
(……美しい……)
その際に一見してしまった少尉の一糸まとわぬ姿に、義三郎はそんな事を思ってしまった。
己が持ち合わせることのない、浅黒い肌。
傷ひとつないその肌は、義三郎にブロンズ像を思わせた。
今まで見たことのない造形美に、義三郎は心を躍らせ、その肌を味わうように舌を這わせていた。
(こんなにいい香りを漂わせる綺麗な肌の男がいるなんて……)
呼吸する度に入ってくる香りが心地よく、無意識のうちに呼吸する間隔が狭まっていくのを感じながらも、それを止められない。
「……ッ、良いぞ、千夜……」
そこに聞こえてくる、少尉の甘ったるい声。
自分の行為に悦んでくれているのが分かる、女のような艶めかしい表情に、
「綺麗です」
という言葉が不意に口から出てしまった。
どうしてそんな言葉が出てきてしまったのか、義三郎は己が分からなくなってしまった。
「そうか……っ、お前の瞳にはわしがそう映っているのか……」
嬉しいぞ。
困惑していると、少尉が口元を綻ばせてから義三郎に口付けてくる。
「ん……はぁ……ッ……!!」
身体を重ねながらの深い口付け。
義三郎は密着した下腹部から、己と同じように
少尉も興奮している事に気づき、掌でそれを包みこむ。
触れた先端は既に濡れていて、早く吐精したい、と訴えているように感じられた。
根元から先端にかけて熱く堅くなった雄をゆっくりと扱くと、少尉の口から悦びの声が漏れてきて、義三郎はこの行為を続けても問題ないのだと密かに安堵した。
ともだちにシェアしよう!