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第5話

逞しい白い肌に刻まれた、いくつもの傷跡を武器庫の薄明かりの下に晒し、仰向けになっている朝比奈少尉の上に身体を重ねようとする。 (……美しい……) その際に一見してしまった少尉の一糸まとわぬ姿に、義三郎はそんな事を思ってしまった。 己が持ち合わせることのない、浅黒い肌。 傷ひとつないその肌は、義三郎にブロンズ像を思わせた。 今まで見たことのない造形美に、義三郎は心を躍らせ、その肌を味わうように舌を這わせていた。 (こんなにいい香りを漂わせる綺麗な肌の男がいるなんて……) 呼吸する度に入ってくる香りが心地よく、無意識のうちに呼吸する間隔が狭まっていくのを感じながらも、それを止められない。 「……ッ、良いぞ、千夜……」 そこに聞こえてくる、少尉の甘ったるい声。 自分の行為に悦んでくれているのが分かる、女のような艶めかしい表情に、 「綺麗です」 という言葉が不意に口から出てしまった。 どうしてそんな言葉が出てきてしまったのか、義三郎は己が分からなくなってしまった。 「そうか……っ、お前の瞳にはわしがそう映っているのか……」 嬉しいぞ。 困惑していると、少尉が口元を綻ばせてから義三郎に口付けてくる。 「ん……はぁ……ッ……!!」 身体を重ねながらの深い口付け。 義三郎は密着した下腹部から、己と同じように 少尉も興奮している事に気づき、掌でそれを包みこむ。 触れた先端は既に濡れていて、早く吐精したい、と訴えているように感じられた。 根元から先端にかけて熱く堅くなった雄をゆっくりと扱くと、少尉の口から悦びの声が漏れてきて、義三郎はこの行為を続けても問題ないのだと密かに安堵した。

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