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第25話

風呂から上がり、部屋に戻ると、勇と共に布団を敷いた部屋に向かう。 「千夜さまは兄さまに抱かれていらしたのですか?」 「いえ……っ、わたしが少尉殿を抱いていました……ッ……」 布団に身体を埋めると、勇に着ていた帯を解かれ、喉仏を甘噛みされた。 「……そうなのですね。では、僕が千夜さまを抱いたら千夜さまにとって僕が初めての御相手になれる、という事ですね」 「は……ッ、はい……っ……」 かつて、義三郎が少尉にしていた事を、今は勇が義三郎にしていた。 鎖骨まで降りてきた唇が胸の突起に触れ、もう片方は指で摘まれて快感に身体が震える。 義三郎の反応を、勇はとても嬉しそうな目で見ながら行為を続けていた。 「背中はお美しいのにこちらは傷だらけなんですね。勿体ない……」 『わしの身体を綺麗だと言うておったが、お前の身体の方がずっと綺麗じゃ』 浮かんだのは、傷だらけの身体を褒めてくれた愛おしい人との逢瀬の日の事。 涙が出そうになったが、堪えた。 「いつもはどのようにご自分を慰めていらしたのですか?」 勇の手が下腹部に伸び、半勃ちになっている雄を包み込む。 「兄さまを抱いていた時の事を思い出していらしたのですか?」 「あぁ……ッ、、そう、です……っ……!!」 浅黒い色の手に、身体はかつての情事を思い出したのか、少し触れられただけで熱くなった。 「兄さまはこんな淫らな千夜さまを独り占めされていたのですね……」 憎らしいです。 義三郎の雄を攻め立て、どこまでも低く冷たい声色で語りかける勇。 それに気づきながらも、義三郎は与えられている快感に脳が支配され、何も考えられなくなっていた。 「うぅっ、、あぁっ、、、もう……ッ……!!!」 勇の手の中で、義三郎は達していた。 「はは……ッ、千夜さまのお顔、想像以上にいやらしくて良かったです……」 嬉しそうに笑った後、勇は掌いっぱいにあった義三郎の吐き出したものを孔の入口に塗り込めていく。 「本当に初めてなんですね……」 「ひ……ッ、あぁ……っ……!!」 指を半ば無理矢理挿入され、義三郎は声を上げる。 「痛そうにされているお顔、堪らないです」 「うぅ……ン……ッ……!!」 口吸いされながら指を動かされると、痛みが徐々に違う感覚に変わっていく気がした。 (少尉殿……) 自分も同じような行為をしたが、朝比奈少尉の孔は最初から柔らかくて、触れられる事に悦びを感じている様子だった。 (おれもそうなるのか……) 増やされた指に若干の痛みを覚えながら、義三郎はその先にある未知の感覚が芽生えていくのを受け入れていた。 「ゔぁっ、あぁ……ッ……」 「千夜さま、だいぶ解れてきていやらしい顔になってくれて僕はとても嬉しいです」 「あ……そこ……ぉッ……!!」 少尉が触れたら狂ったように声を上げていたところがあった。 それが己にもあった事に驚き、同時に強烈な快感で触れられてもいない雄が精を吐き出してしまっていた。 「あぁっ、あ………………ッ…………!!!!」 「ふふっ、千夜さまが獣みたいに鳴いておられる姿、とても素敵ですよ。もっと鳴かせたくなります……」 「ひぁ……ッ、いさむどの……ぉっ……!!」 同じところを叩き続ける指を無意識で求めるようになっている身体は指の動きに合わせて腰を揺するようになっていた。 「そろそろ良いでしょうか。では、僕の事も良くしてください……」

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