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第26話
白い肌の上に、褐色の肌が重なる。
「ひ……ッ、ゔぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁぁ……っ!!!」
指とは比べ物にならない質量のものが孔を貫いていく。
「あぁっ、とても狭いですね。僕を離すまいとこんなにも締め付けてくれて……幸せです……」
「い……ッ、いさむどの……ッ、まって、待ってくださ……」
「嫌です。あなた様のココを解している間、僕は充分待ちましたから」
「そんな……ぅああああ……ッ……!!」
容赦なく侵入してくる勇の雄は指で拡げられた道筋を更に大きく拡げていき、義三郎は知らない感覚に頭がくらくらした。
「はぁ……ッ、千夜さま、愛しております。ずっとこうしてあなた様を犯したいと思っておりました……」
根元まで深く義三郎の孔に収まると、勇は笑っていた顔を歪ませ、本能を剥き出しにして激しく抽挿を繰り返しはじめる。
肌と肌のぶつかりが聞こえるくらい激しい行為に、いつしか違う音が混ざり、勇の雄が更に義三郎の孔を拡げていった。
「あぁっ、あぅつ、うう……ッ……」
勇から与えられる、痛みのある快感。
義三郎は口から、雄から、そして孔からも、だらしなく液体を漏らしていた。
「嬉しいです、千夜さまが僕のでこんなにも乱れて下さるなんて……っ……」
「あっ、、、あぁぁぁぁ……っ!!!」
最奥を一突きされた瞬間、義三郎の目の前で火花が散った。
「千夜さま……ッ……!!!」
身体の奥で熱く煮えたぎっている何かが大きく脈動しているのを感じる。
そして、同時に、身体を痛いくらい抱きしめてくる腕の存在も感じた。
(おれは……どうしてこうなんだろう……)
求めに応じて身体を捧げているだけ、のはずなのに、身体は快楽に支配されてしまう。
薄れゆく意識の中、義三郎は己の弱さを心底憎らしいと思った……。
勇との旅は、勇と新たな関係を築いた旅になった。
義三郎の想いを知りながら、勇は毎晩義三郎の身体を求めるようになり、義三郎もこれに応じていた。
自分が犯される事で勇が満たされるなら、という思いのはずなのに、身体は回を重ねる度に勇の情愛を欲しがるようになっていった。
それでも、義三郎の想いは変わらなかった。
夢に見るのは朝比奈少尉と愛し合った日々だった。
『愛しているぞ、千夜』
『おれも、おれもです、朝比奈少尉殿』
夢の中でようやく言えた愛の言葉。
『もっと言ってくれ』
『少尉殿、愛しております。貴方の事を心から愛しております』
生まれたままの姿で抱き合い、繋がりながら義三郎は少尉の言葉に応える。
『わしもだ、千夜……』
夢の終わりはいつも、少尉の笑顔で締めくくられた。
この夢の中にずっといたい。
目が覚めると、義三郎の目はいつも涙で滲んでいた。
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