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第4話

4.“like a cherry” 下手にむらむらしてしまったせいで二人は落ちつかない気持ちで電車に乗り、わざわざ埼玉にほど近い、あまり同じ大学の学生がいなさそうな街まで来た。 「前、ネットで見てさ。ちょっと遠いけど行けたらいいなあと思ってたんだ」 「へえ…なんか、外観は普通の今風のホテルみたいだな」 「うん。けど、なんか色んなプレイができる部屋があるみたいで…」 千早は部屋を選択するボタンの前に陣取った。 「…お前、変な部屋、選ぶなよ」 「大丈夫だよお。普通の部屋もあるから」 「なんか、信用できないな…」 ぶつぶつ言う数生をよそに千早はさっとボタンを押すと先立って部屋に向かった。 「わ、広いな。高級ホテルみたい」 「ねえ。こういうとこってもっと安っぽいとこも多いけどここは本当に普通のホテルみたいな感じだね」 「…お前、ラブホ来たことあんの?なんか詳しく知ってるような口ぶりじゃん」 「違うってー!数兄と来たいなと思って調べたりしてただけ。さ、風呂も広いし、入ろ、数兄」 「ちょ、待て。…準備するからひとりで入る」 「えー?俺も手伝うのに」 「いーから!順番な」 「つまんないけど、はーい、わかった」 数生がバスルームに入ると、そうだ今のうちにと、千早はごそごそと部屋に備え付けの木製の棚の扉を開けた。 この部屋は普通に見えるが、〈アダルトグッズが豊富に取り揃えてある〉と小さく説明に書いてあったので決めた。数生は気づいてなかったと思うが。 扉の中に隠されていた自販機のような設備に陳列されているグッズのうち、無料なのはよく見る電マくらいで他のものは有料でレンタルか買い取りのようで、そうそう金を使えない千早にとっては苦渋の選択だった。とりあえずこれとこれは用意しておこう、と千早はうきうきとそれらのボタンを押した。 なかなかバスルームから数生が出てこなくてうとうとしかけたころ、やっと備え付けのタオル地のローブを着て出てきた。さっと枕の下に用意したものを隠して千早は浴室に入った。 ———さてどうするかな。 一時期は世界の終わりが来たかというくらい憔悴していたくせに、浮気じゃなかったと分かったとたん千早の機嫌はよくなった。 ユリに優しくしているのは気に入らないが、数兄はお人よしなのだ。困っているユリを放っておけないのだろう。 疑いがすっきり晴れたのは数生がユリのことがバレて動揺するわけでなく、千早への気持ちを疑ったことを本気で数生が怒ったからだった。 真剣な瞳で初めて触られるところをあの太い指で弄られて、一気に全身の血が沸騰してしまい、すぐいってしまった。すごく惜しかった、と千早は後悔した。数生がたまに見せる激しい感情と行動に千早はついついときめいてしまう。やっぱりMっ気もあるみたいだ。 部屋に戻ると数生は枕の下に何があるかも知らずにうつ伏せでホテルのパンフレットを見ていた。 「数兄、おまたせ」 「千早ぁ、お前、この部屋…」 「ん?」 「わざと選んだ?」 「え、なんのこと〜?」 トボけつつ千早は数生のバスローブを脱がし、背中の上に重なって乗っかった。 「…じゃないなら、いいけど」 「あれのことかなあ」 そう言うと千早はごそごそと数生が頭を乗せている枕の下をあさり、あるものを取り出した。 そしてすばやい動作で数生の右手首におもちゃのそれの片側をかちゃ、と嵌め、もう片方を柵のようになっているベッドのヘッドボードにかちゃ、と嵌めた。 「え」 「数兄の言ってるのってこれ?」 そう続けつつ、千早に乗っかられて身動きできない数生の左手首を同じように手錠でヘッドボードに繋いだ。 「おい、千早〜〜〜!!お前…っ…!!」 「わーい、びっくりした?これで身動きできないでしょ」 「お前…!さっきまで泣きベソかいてたくせに…!!」 「さっきの仕返しだよーだ。あと、指も挿れられたし…」 「それはっ…!悪かったよ…」 「ううん、本当にそれはいいんだけど…」 まあ本当はもっとして欲しかったんだけど、と思う。すぐイってしまって数生に攻めてもらうチャンスを逃してしまった。 「数兄、膝立てて。ケツあげてくれる?」 「……もー、なんだよ…」 文句を言いつつも数生は言われた通りに動く。 「ふふっ、数兄って素直…」 「うっせえ。こんなとこまで来といてもったいぶってもしょうがないだろ」 「はいはい。そういうとこ好きだよ、数兄」 「くそぉ…。千早、おぼえてろよ…」 耳を赤くしながら悪態をつく数生の胸に千早は両手を這わせた。びく、と身体が反応する。数生はもともと地黒だけれど、テニス部で夏から秋にかけては半袖で練習しているのでTシャツ焼けをしていて、背中は背中や胸は腕の部分よりは色が薄い。なんだかそのコントラストもいやらしく見える。 「数兄…なんか最近また鍛えたりした?胸、ちょっと盛り上がってない?」 揉み込むように五本の指を広げて胸を触る。 「んっ…そうか…?」 「うん…エロいね…」 千早の言葉に数生の耳がさらに赤くなるのが分かった。 揉むようにしながら指で突起を挟み込み、たまに先端を擦ったり押し込んだりしていると「あっ…はぁ…っ…」と抑えたような溜め息が聞こえる。キュっと両方を摘むと「んんっ…。千早、なんでそこばっかり…!」と、大きく背中がしなった。 「数兄…。ね、乳首だけでイけるっていうけど本当かな?試してみない?」 「はぁっ…。んんっ…!面白がりやがって…」 更にきゅ、きゅ、と何度も指先で摘むと「あっ、あっ、もう、やめろってぇ…。腫れるから…っ」という言葉とは裏腹に、数生の腰が強請るように動いた。 「…数兄、ほかのところも触って欲しい?」 「……うん」 「どこ、触って欲しい?」 「…分かるだろ」 「分かんない。言ってみて」 しつこく二つの突起を弄りながら尋ねると、 「……んっ、あっ、前も、触って…」 と観念したように数生は小さな声で言う。 「前かぁ。そっちもいいけどね」 千早はベッドサイドにある棚の引き出しを開けると、個包装になっているローションをいくつか取り出した。 「数兄、棚の中、見た?味付きのローションがあるんだよ。そういえば家では普通のやつしか使ったことなかったよね。…いちご、パイン、チェリー、バナナだったらどれがいい?」 「…それ、俺は使われる側なんだろ?俺には味なんて関係ないじゃん」 「そうだけど…。じゃ、チェリーにするね」 「勝手にしろっ…」 「はーい」 そう答えるとパッケージを破り、千早は数生の後ろ側にローションを垂らした。合成のさくらんぼの甘ったるい香りが鼻をくすぐる。 「んっ、そっち…?」 「…こっちでもいいでしょ?」 ぬる、と中指を挿し入れると、びくびくっと数生の腰が震えた。抜き差しすると、にちゃ、にちゃ、といやらしい音がする。圧迫感が指を包むが、だんだんと受け入れるようにそこが緩んでくる。 「んっ、あっ、あ…」 ぬる、と指を引き抜くと、千早は、ぐっ、と両手の親指でそこを押し開いた。浅黒い肌とは違って、ローションに染められてさらに綺麗なピンク色に染まった粘膜がひくひくと触られるのを待っているかのように動いている。 「あっ、ちょ、ちはや、やめっ…!」 何かを察した数生が嫌がるように腰を横に振ったが、ぎゅ、と押さえて顔を近付ける。 「ああっ、んっ…」 広げた後孔の入り口を舐めると、舌の先端を尖らせるようにして数生の中に入り込んだ。 「んっ、あっ…。千早っ、だめだって…!汚いからっ…!」 「さっき洗ってくれたんでしょ。それに、数兄のは汚くなんかないよ…」 「ん、んんっ、バカ、変態っ…!」 「ここ、すごくあまいよ、数兄…」 腰を抱えてぐいぐいと舌を差し込むと、「あっ、あっ、だめだって…んっ…」と臀部が揺れる。舌を食い締めるように圧迫がまた強くなった。 「数兄、さっきから腰、動いちゃってる…。やらしいなぁ」 「んぁ、あっ、うるせぇっ…やらしいのはお前だろぉ」 なおもしつこくそこを舐めると、「んっ、だめだっ、あっ、あ…」と、ペニスからぽたぽたと先走りが溢れてくるのが分かった。苦しそうだな、と思って、片手を前に伸ばして、そこを握り、扱いてやる。 「んあっ!はぁっ、ちはやっ、も、それ、だめだっ、いくって…!」 「…イってもいいよ、数兄」 「んっ、ん、いくっ、あっ…。はぁっ……!」 握っていたペニスが痙攣し、びゅ、びゅ、と白濁した液体が飛ぶのが見えた。 それでもまだそこを握りながら後ろを舐める千早に、 「んっ、んっ、も、いいってばぁ…。ちはやぁ…」  と、息を切らせながらも蕩けたような声が聞こえてくる。 「うん…はぁっ、俺も、そろそろ限界…っ…」 息を切らした千早は棚にまた手を伸ばすと、コンドームを取り出した。パッケージを開けようとすると、「千早…」と掠れた声で数生が少しだけ後ろを振り返った。 「ん?」 「…今日、ゴム、なくていい…」 「え」 「そのまま、しろよ…」 ごく、と千早は喉を鳴らした。 ———なんだか、いつもよりも数兄、積極的かも。 「数兄ってば…煽らないでよ…」 「煽ってないし…」 「じゃあ…挿れるよ…」 千早は自分の根元を握ると、数生のそこに押し当てた。教室にいたときからずっと興奮していたのでやっとここまで来たことに唾液が込み上げて来てしまう。 すぐいってしまわないようにしなければ。無理かもしれないけど。 「ね、数兄のここ、まだひくひくしてる…。さくらんぼみたいな色になってて、やらしいよ…」 「それ、ローションの色だろ…」 「ううん…数兄の色だよ」 ぐっ、と一気に押し入ると、数生のそこが締め付けるようにぎゅう、と収縮した。 「あっ、ちょっと数兄、あんま締め付けないで」 「はぁっ、そんなこと、してないって…!」 「うそだ…」 あまりの締め付けにすでに歯止めが効かなくなった千早は、ああこんなんじゃやっぱりすぐいっちゃう、と思いながら腰を打ちつけた。ぱちん、ぱちん、という音が静かな部屋に響いてますます気持ちを昂らせる。 「んっ、あっ、あ、千早っ…!強いって…」 「今日はっ…数兄が、やらしいからっ…」 「んんっ、あっ、あ゛っ…!」 ペニスが奥深くに突き刺さり、数生の腰がびくびくっ、と大きく動いた。 「んっ、ぁあ、あっ、あ…」 「数兄、あたってる…?奥っ…」 ぐっ、ぐっ、と力を入れて抽挿を繰り返しては、時おり奥を抉るように腰をぐる、と動かすと、 「んっ、ん、千早、だめだっ、やめっ…。へんに、なるからぁっ…」 と涙声で数生が少しだけ後ろを向いた。 その泣きそうに歪んだ顔を見てゾクりとし、もっと苛めたくなった千早はますます深く腰を何度も打ちつけてしまう。奥の壁の扉のようになっているところまで届くように何度か深く挿入すると、「ぁあ゛っ…ぐっ…っ…ちはや…あっ」と、まるで強く電気を流されたかのように激しく数生の腰が振動した。 同時にぐっ、と、さらに締め付けられ、「ん、んんっ…!」と耐えられなくなった千早も果ててしまい、数生の中に長いこと溜め込んでいた熱を放った。腰をしっかりと掴んで中に全部を流し込む。 「はぁっ…」 数生は立てていた膝をがくりと崩してベッドにぐったりと横たわった。ぬるりと千早のものが中から抜け出る。 放心したようにベッドに繋がれたままうつ伏せで寝転がる数生の上に千早は覆い被さると、 「数兄…めっちゃ、よかった…。ねぇ、さっき、ナカでいった…?」 と後ろから耳元に囁いた。 「…わかんね…なんか、へんな感じで…ぶっ飛ぶかと思った…」 「そっか…」 そう言って耳の後ろ側をちゅう、と吸うと「んっ、こら、痕、つくだろ…」と怒られる。 「大丈夫だよ、ほとんど髪に隠れて見えないから」 「あのなあ…」 はぁ、と溜め息をついた数生は一瞬黙ると、 「なあ、これ、そろそろ外してくれよ…」 と顔をずらして手錠の方を見た。 「もう外しちゃう?」 「…だって、このままじゃお前の顔、ぜんぜん見えないじゃん…」 拗ねたような声音に千早の胸は本当にきゅん、と音を立てた。 「…ん。わかった」 棚の上に置いてあった鍵を取ると、かちゃ、かちゃ、と手錠を外す。 すると、数生はぐるりと身体を回転させ、四つん這いになっていた千早の頭をぐいと引っ張った。 唇の間にぬる、と数生の分厚い舌が入り込み、千早の舌を食い荒らすように動く。頭の後ろに回された手は強くて、「ん、ふぁ…」と呼吸ができないほど荒々しくキスされた。 苦しいくらい舌を絡ませあったあと、  「お前、なんか甘い…」 と下から見つめられる。 「さっきのローションじゃない?」 「うぇ…」 「だいじょぶだよ、キレイだからさ、数兄は」 千早は笑ったが、また怒られるかな、と思ったのに、 「千早…。好きだ…」 と、数生が濡れたような瞳で千早の顔を両手で挟んで言うので、予想外のことに驚いてしまった。 「数兄…。俺も…」 筋肉質な腕が背中に回され、ギュッと抱きしめられた。千早は幸せなのに切なくて堪らなくなってしまう。 「…数兄、俺、隣に引っ越してきて初めて会ったあの日から、ずっと数兄のことが好きなんだ。ずっとだよ…」 「うん、知ってる」 数生の手が優しく背中を撫でる。千早は胸の中があったかすぎてしんどくて、なんだかまた泣きたい気持ちになった。 「千早の背中ってツルツルしてる。…ケツも、なんだか女の子みたいに白くて柔らかいし…」 尻をぎゅ、と大きな手で掴まれて、ざわ、と千早の肌が喜ぶように鳥肌を立てる。 「…女の子のケツなんて触ったことあったっけ、数兄?」 「服の上からしかないけど」 「え。触ったの?誰?誰のケツ?」 「教えねー」 「嘘だ嘘だ。絶対ウソだろ?」 「どうだろうな」 「…なんだよ、もー」 ムクれるとぽんぽん、と、あやすように数生に背中を叩かれた。 「数兄のばか…」 千早はまた仕返しをするように、静かになっていた数生のペニスに手を伸ばして握り込む。 「ん、千早、さっきいったばっかだから…」 「とか言って、また硬くなってる…。えっちなんだよ、数兄は」 「だからそれはお前だろ…」 自分のものもまた硬くなってきてしまって、ぐい、と数生の腹の下あたりに千早はそこを押し付けた。 「…ね、数兄」 「ん?」 「俺に、いれてみる?」 「え?」 「前にさ、言ったじゃん。いれたかったら俺にいれてもいいよって。やってみる?」 「…や。それは、やめとく」 「えー、なんで」 「なんで残念そうなんだよ…。なんか、怖いじゃん」 「自分は挿れられてんのに?」 「お前に挿れるのは怖い、かも。俺より小柄だし…」 「…数兄、女の子だったらもっと小柄なんだよ?数兄がデカいだけで俺だってそんなに華奢なわけじゃないんだけど…」 「や、そうだけど、女の子は…ちゃんと挿れるとこあるだろ。後ろの穴って本来そういう使い方じゃないっつーか…」 「もー、なんだよ、怖気付いてさ。さっき、怒って俺に指挿れてきた数兄、すごい萌えたのに…。ねえ、あのモードにもう一回なってみてよ、数兄」 「ばーか。…もうしねえよ」 「…なんだよ、ケチ」 「ケチってなんだよ?」 数生が呆れた顔をする。 「…分かった、じゃ、今日のところはいいから、もう一回、しよ」 「…え、もう無理だって」 「できる」 まだローションと体液でどろどろしている後ろ側に、にゅ、と千早がまた指を潜り込ませると、「はぁっ…」と数生は吐息を漏らした。 抵抗するのを諦めてぐずぐずになっているそこに何度も抜き差ししてから指を引き抜くと、片脚を持ち上げるようにして、正面からまた中に侵入する。すっかり柔らかくなったそこはすんなりと千早を全部のみ込んだ。 「もー…ダメだってぇ…!」 「数兄は大人しくしててくれればいいから」 「お前なぁっ…」 そして、さっきよりもゆるゆるとした行為でゆっくりと千早は果てて、また数生はそれを受け入れた。 抱きしめられ、頭を子供の頃のように撫でられて、うとうとと眠くなってきてしまう。この人がいないとやっぱり自分の世界は成立しないな、とか千早は思ってしまう。優しくされることも、悲しくなることも、嬉しくなることも、悦びも、全部数生が教えてくれた。 「千早…」 「ん?」 半分眠りに落ちそうになりながら千早は応えた。 「…俺たちのこと、話そうか、ユリに」 その言葉に驚いて目覚め、がば、と千早は身体を起こした。 「え、なんて?」 「ユリにさ、付き合ってること、言おう」 「…どうして?」 「だって、お前、ユリと俺が連絡取ったりしてたらずっと安心できないんだろう?でも、今、ユリを放っておくわけにも行かないし…」 「でも、言って大丈夫…?」 「ユリにならきっと大丈夫だと思う。また、傷つけるかもしれないけど…。ユリは、他の人にそういうことを気安く喋るような子じゃないしさ」 「…数兄はユリのこと信頼してるんだね」 「少しだけだけど付き合ってた子だからかなぁ」 「ふーん…なんか面白くないけど。でも言ってくれるのは嬉しい、かも」 「うん。言おうか。それで、ユリが『もう俺には頼らない』って言って来たら、心配だけど、仕方ないかな…」 「…そうだね」 この人はしょうがないなあ、と思う。お人好しなんだから。ユリのことを放っておけないんだ。たぶん一度は好きだった人だから。 千早はぼんやりとベッドサイドを見つめて「あっ」と気づいた。 「ん?」 「やば、あれ、使うの忘れてた」 千早はうっかりしていた自分に舌打ちした。 「何が?」と、数生もそちらに顔を向け、置いてあるものを見て眉を顰める。「なんだよ、アレ」 「買ったんだった。オナホ……」 「あれってオナニー用だろ?どうやって使うつもりだったんだよ」 「数兄に嵌めてやろうと思って…て、使ったことない?」 「ない」 「ウソぉ」 「ねーよ。お前はあんの?」 「あるよ、そりゃ。去年とか、受験であんまり数兄と会わないようにしてたし…。数兄は、ああいうの使ったりしなかったんだ?」 「してない」 「なんでだよっ。俺と会わない間、どうしてたの?」 「そりゃ別に、手で…」 「…ねえ、今度、あれで一人でやってるとこ見せてよ」 「ヤだよ、なんのプレイだよ…」 「いいじゃん。しよ。家でやろ。ていうか、今日泊まればいいか。後でしよう」 「もう今日は限界だって…!」 「ダメ、いけるってば」 そんなことを言い合ってはじゃれあってるうちに二人は眠ってしまい、気づけば朝だった。 結局、オナホは「あー、使えなかった…」と嘆きながら千早が持ち帰った。すぐリベンジしてやる、と思いながら。

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