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第3話 小笠原慎二
「お茶持ってくるから先に部屋入ってて」
「はーい」
慎二さんは一人暮らしだ。
高校生までは家族と住んでいてここが実家だったのだが大学生になったら一人暮らししたいと言い出したところまさかの両親が違うところに引っ越しすでに家賃などを払い終わっているここに慎二さんが住むことになった。
慎二さん曰く、誠くんと離れなくてすんでよかった と言われた。
俺も慎二さんは本当にお兄ちゃんみたいだから勉強も見てくれるし助かるし嬉しい。
慎二さんの収入源は家庭教師だ。
有名な大学に行ってるからなのか生徒も俺以外にいるし結構儲かってるみたいだ。
普通にすごい。
荷物を置いて本棚を見ると奥のほうにピンク色の背表紙が見えた。
まさかエロい本とか??
興味本位でそれをとったのが間違えだった。
「これ……なっんだこれ……女が出てこないじゃんか」
ページをめくるが女性がいっこうに出てこない、むしろ男のうわぁああな部分やこ、こんな描写までってのがパラパラめくるたんびに出てきた。
「何してるのかな?」
「ひっ!? うわぁああ」
「あーそれ見られちゃったか、結構奥にしまってあったんだけどな」
「えっと………慎二さんはそっち方面の人なんですか?」
「んー所謂、興味ってやつだよ」
「…………そ、そうですよね」
そそくさと本棚にしまう。
「さてと勉強しようか」
「はぃ」
普通に家庭教師として勉強に入っていくこの動揺の少なさ…大人だ。
「で、今日の数学のテストどうだった?」
「あ、えっとまぁまぁだよ、でも復習のとこはあんまでなくて山が外れた感じ」
「そっか、じゃぁできなかったってことだね」
「はぃ、すみません」
「今日は世界史の予定だったけど、数学にする? それとも」
「いえ、世界史でお願いします、テスト返ってきてからのほうが復習しやすいし」
「そうだね」
16時半からはじまり20時までみっちり世界史と現国を勉強した。
「ふわぁー疲れた」
「お疲れ様」
お茶をぐびーと飲み立ち上がり
「トイレ借りてもいいですか?」
「どうぞ」
じょぼじょぼと出し、帰り支度をしていると
「明日土曜日だよね、夜更かしする?」
「んーバスケ部集まりがあるんで今日は帰ります」
「そっか、じゃぁまた日曜日」
「はい、ありがとうございました」
中学生までは夜更かししてゲームしたりHな話したりいろいろしてたけど今は部活やらなにやらで忙しくなって全然慎二さんとは遊べてない。
「はぁーそれに」
あれを見てしまったから頭から離れないってのもある。
ご飯を食べ風呂に入り
漫画のシーンを思い出す。
「あれ、思いっきり入ってたよな………尻にだよな……」
あんなの気持ちいいのかよ、女じゃないんだし…お風呂でぶくぶくしながら。
激しい描写を思い出す。
その時
カリカリカリと扉を爪で呼んできたミーヤがいた。
「こら、風呂入れないだろ」と声をかけるがこっちに入ってきた。
「あーもうびしょ濡れになるだ…俺勃ってるんだけど」
自分の姿を見て屈んだ。
その上にひょいと乗ってきた。
「あーもう!!」
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