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第4話 男と男の関係とは
土曜日
バスケ部の話し合いに参加して部長と俺と部員数名でワクドナルドに行きその帰りに数人で本屋に行った。
2年の後期といえばみんな赤本を見ている。
「俺まじで行きたい大学なくてさ、親に早く決めろってうるさく言われてる」
「あー分かる」
「でも青山ってあれだろ? 隣の家のお兄ちゃんとこ行くんだろ?」
「え? ああ、うん目標だけど結構難易度高いし、迷い中」
「とりあえず自分の実力にあった大学を選ぶことが大事なんじゃないか?」
「たしかに、入ってから課題の多さに死ぬのは嫌だしな」
「うんうん、そういえば古川って推薦来てるんだよな?」
「え? あうん、そうでも勉強もできないとダメって言われてるから成績をあげてるところ」
古川はみんなに電信柱と言われているがバスケをしている以外は本当に電信柱並みにゆったりしているところがある。
だから俺は何度か古川にぶつかったことがある。
女子からみたら温厚、背が高くて怖いけど基本優しいから一番安心できるって言われているくらいだ。
そしてなんと言っても古川は童貞ではないらしい。
中学の頃女子と付き合っていたとか……。
くそっ。どうせ俺は童貞だ。
みんなが赤本の前を陣取っていたからちょっとうろうろとしていると漫画コーナーについた。
「あ、新刊出てる」
漫画って発売日が1年後くらいになってくると新刊買うの忘れるんだよな。
特にってあれ? この絵柄昨日みたやつに似てる。
手を伸ばしギリ届く本をとった。
「31巻 新発売」ってことはもしかしてあの本棚の後ろにはもっとあったっていうこと!?
いやいや、そもそも興味本位ってやつって言ってたからたまたま1巻がちらって見えただけだよね。
さーっと血の気が引いたが
「なにそれ」と声がした。
俺の手にはピンクの本が握られている。
一瞬で体が熱くなった。
「あ、これはなんか落下してきて」って嘘つくが
「ビビった、これ姉ちゃん持ってるし、所謂BL漫画ってやつだよ」
「え? 知ってるの?」
「姉ちゃんは俺に期待している、学校でそういう展開になったら写メしろってね。って言われたたまに風呂覗いてくるんだよ、さすがに怖い」
「それは怖いな」
「まぁ青山はネコだろうな」
と言われた。
「にゃー?」
「んーまぁそのにゃーであっているけど所謂女役だ」
とさらっと言いながら漫画を棚に戻してくれた。
え、待って俺女役なの……それはちょっと……てか童貞卒業したい、つまり女子と付き合いたい!!って思ってる俺が女役になることはまずない。
絶対にない。
というか木下詳しすぎる、それに俺は引いたぞ。
姉の言葉責めにでもあっているのだろうか。
そういえばBL漫画ってなんだ?
「青山どした?」
「え? なんでもない」
とぼとぼと歩いている俺に古川が声をかけてきてくれた。
「なぁ古川って女子と付き合ったことあるんだよな?」
「あーうん」
歯切れの悪い返事をもらったが
「どうだった?」
「え、んーぎゅうぎゅう締付けてきて気持ちよかった」
……あーほらやっぱ俺は女子とイチャイチャしたい!!
「青山興味あるの?」
「あ、当たり前だろ、DKなんだからな!」
身長差があるから結構大きめで喋っていることは秘密にしておこうと思った他部員たちであった。
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