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第8話
※R-18
厚木の膝で甘えている吉継に声をかける。
「昨日の勝手な行動、覚えているか」
「っはい、…ごめんなさい…」
連絡もせず、勝手に帰ったことだ。
「お仕置きがいるな」
”お仕置き”というワードに、しおらしくなったのも一瞬。
吉継は、厚木の腹に抱きついて頭を擦り付けてくる。まるで大型犬のようだ。
「してください」
声は震えても、目は期待している。
「いいこだ」
「”Strip” 下だけでいい」
「…」
寝間着として着ている綿のズボンを脱ぐ。欠伸が出そうなほどゆっくり。
「焦らしてるつもりか」
首を横に振っている。
「下着もだ」
「う…」
からかわれたことに対する抵抗か、下着はあっさりと脱いで足元に置く。
上着は直立してもちょうど性器は隠れるくらいだった。
「丈の長い服でよかったな」
「…っ」
目を閉じて何かに耐えている吉継に、これからもっと恥ずかしいことになるだろうに…と考える。
「”Goodboy”」
褒めるとホッとしていた。
「”Come”、ああ、いいこだ吉継」
おずおずと近寄ってきた吉継の股の間に足を入れて、引き倒した。うつ伏せで倒れ込んだ体を背中から腹に腕を回して、膝の上で抱えなおす。
「あっ」
厚木に臀部を晒していることに気づいた吉継が、慌てて身を捩るが厚木にとってはたいした抵抗にはならない。
むき出しの尻を撫でて、過剰なほどの反応を愉しむ。
「十分…、いや”お仕置き”だから二十分か」
何を言われているのかはわからなくても、吉継にとっていい話ではないのはわかるようで、身を固くしている。
「二十分間、何をされても耐えることだ」
「えっ…ああっ」
「”Stop”」
微かに震える尻を平手打ちすると、痛みと驚きで暴れようとした吉継を|命令《コマンド》で制する。
「う…ぁ」
吉継は、ベッドに肘を付き、不自由な体勢で厚木の方をなんとか見ようとしている。
「痛いか」
「い…いいえ…」
打たれたところは、加減しているため、少し赤くなっているが手形がつくほどではない。
「ならいい」
パァン。
「あぁっ」
場所を変えて、何度も尻へ平手打ちをしていく。
疼痛のような痛みでもない、気持ちよくもない、いくらかジンジンするだろうが…、何も突き抜けた感覚がない曖昧な刺激を受け続けて吉継は、打たれる度に声を震わせていた。
「あ…はぁっ…」
「そんなにいい声を出して、”お仕置き”なのを忘れているのか」
「違う…」
「どうだかな」
赤くなった部分を指先で撫で上げる。今までと違う刺激に裏返った声を出し、我に返って口を塞いでいたが、軽く爪を立てる刺激には耐えられず身を震わせていた。
膝に当たっている吉継の性器は緩く反応している。
厚木が膝を押し付けたことが呼び水になり、自ら腰を動かせはじめた。
「あ、あ…どうして…」
「さあ、自分で考えろ」
ローションを垂らすと奥まった場所へと吸い込まれるように流れていく。
追いかけるように指を滑らせる。
「んんぅ」
ぬるつく尻のあわいを縦横無尽に行き来する慣れない感覚が加わり、暴れ出したいのに|命令《コマンド》があるので思うように動けず、むずがるように身を捩って震えている。
「あっ、何?」
「なにって?」
「わからなっ、いぁ…厚木さ、」
「ここのことか」
「あぁ…」
窄まりの下の、なにもない薄い皮膚を押してやる。
ため息のような声。
「ふっ、ここが好きか」
「わからなっ、ぅん…」
「腰が動いている」
会陰部を押すと、前立腺を外側から刺激したことになる。
今までの掴みにくい感覚に比べるとわかりやすい感覚で、吉継にとって快感である。
厚木の膝に固くなったものを擦り付けはじめた。
最初の優しい刺激では段々と物足りなくなってきたのだろう、うんうん喘ぎながら妖しく腰を揺らめかせる。
ここらが潮時かと、一層強く押してやる。
ぼやけた頭よりよほど素直な体は、受けた刺激に逆らわず、震えながら吐精した。
力が抜けて重たい体をベッドに引き上げる。胸が忙しく上下していた。
放心している額に唇を付ける。
「かわいいな、吉継」
お仕置きは終わりだと告げ、褒めてやるとぼんやりしていた目に色が灯る。
「厚木さん」
「なんだ」
「俺は厚木さんだけでいい…」
吉継はそれだけ言って、そのまま寝てしまった。
「お仕置きだけで満足したのか」
取り残された厚木は、大きくため息を吐いた。
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