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第3話
「…ねぇ。兄ちゃん。何か忘れてない?」
「忘れてる?」
俺のことそういった意味で好きってことでいいんだよね?俺と同じ気持ちなんだって思っていいよね?だったらさ…
「あのさ。こうやって何も言われずにこんなことされる俺の気持ちわかってんの?俺にこんなことして…何もないわけ?」
ねぇにいちゃん。あなたの口から聞きたいんだ。俺の考えが合ってるってこと
「俺は…ひぃちゃんの一番になりたい…ずっと…ずっと…お前のことが好きだった。始めは弟のようにみたいに可愛くて可愛くて堪らなかった。だけど…春雪の話しを嬉しそうに楽しそうにしているひぃちゃんを見て取られたくないって思って…そんなときに春雪のに飛んでるひぃちゃんのあれを見て…」
「…で?どうしてくれるの?」
「ごめん…手を出してしまって…俺…もう…お前の前に姿現さないか…」
「違う!そうじゃない!ばっかじゃないの!?順番違うって言いたいの!気持ち伝えて気持ち通じてそこからでしょ!?ねぇ!どうなの?俺が他の人のになっていいの?」
「いやだっ!!俺の一生のパートナーになってください!!」
「いーよ!」
「そうだよね…って…えっ!!」
兄ちゃんは俺の言葉にかたまった。瞬きすらしないでコチンって、そして見る見る赤くなっていく。
「おーい。大丈夫?」
「あぁ!…そっか!そうだそうだ!これは夢…俺がひぃちゃん好きすぎて見ちゃったすっごく幸せな夢!!」
何を言ってるんだこの人は…こんなに…バ…
「ああ…でも夢なら覚めないで欲しいなぁ」
「ちょっと!!勝手に夢にしないでよ!!」
そう言って頰を抓ってやる
「いった!!」
「夢なの?」
兄ちゃんはなぜかまた俺を押し倒してキスを仕掛けてきた
「んん…ちょ…」
そのまま先に進もうとするので蹴り上げてやった
「いたっ!!」
「だから!!俺の話聞いてよ!勝手に先走らないで置いてかないで!!」
その言葉を聞くと兄ちゃんは泣きそうに微笑んで謝ってくれた。
「ごめん…俺…」
「俺ね、ずっと兄ちゃんのこと好きだったの。」
「えっ!!」
「ちょっと…真面目に話したいから黙ってて」
「ごめん」
「いつからだったかわからない…あの日だって…別に春雪に発情したわけじゃないよ?俺が春雪でしてた理由は…えっと…兄ちゃんに…雰囲気が似てたから…声もなんとなく似てるし…歌声とかも似てて…だけど兄ちゃんをおかずにするのは何だか気恥ずかしくて…あの人を代わりにした…俺ね、密かに隣で思ってるだけで良かったんだ…ずっとずっと俺の中でこの思いは墓場まで持ってくつもりだった。だって俺だけの兄ちゃんだったんだから…だけど…
俺!アイドルになるっ!
なんて急に家を出ていって帰ってくることなく次に兄ちゃんを見たのはテレビの中で…そんなこと知らされてなかったし急すぎで頭追いつかないし…兄ちゃんはさ、モテてたくせに交際相手はいたことなくて…って言っても俺の知らないうちにいたかもけど…」
「それはない!!」
そこは止めてまで否定するから何だか笑えた。
「ははっ!だから!今喋ってるから待ってって」
「ご…ごめん…でも…だって…俺ずっとお前一番だったから女なんていらなかったし興味もなかったし…」
「わかったって。もう少し待って」
頷いたのを確認すると言葉を続けた。
「時間が開けば俺のところにきて俺をずっとずっと抱きしめて来てたのに…それが弟のように思われてて猫可愛がりされてるだけ…って思いながらも嬉しくて。その時間は俺だけの特別なものだった…ずっと隣りにいた兄ちゃんがテレビ画面でしか見られなくなってすごく遠い人になって…俺寂しかったんだ」
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