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臣 ドキドキが止まらない
突然抱きついてきた由宇を臣は驚きながらも抱きしめ返し
心臓をドキドキさせながら由宇に尋ねた
「ど、どうしたとね?」
「俺…俺、失恋しちゃった…っ」
「失恋!!」
「うん…」
「そうやったとね。辛かね」
「うん。辛い…だからもう俺、受診できない」
「はい?」
「会わせる顔が無いからさ」
「どう言うことと?」
臣は由宇の両肩を持ち、体から離れさせ
「だから…そのさ、先生…結婚しちゃったんだよ、しかも子どももお腹にいるみたい」
「大学の先生?」
「違う。瀬谷先生」
「え…瀬谷って…瀬谷朱雀先生?」
「うん」
「ごめん。待って…頭が追いつかんばい」
由宇が瀬谷先生に恋してた?嘘…
「告白…したとね?」
「ううん。する前に惨敗。廊下でお祝いされてるの見ちゃった」
「そうやったと」
由宇とイチャイチャしたことも何度かあったけど、好きって言われた訳じゃないから入院中の気の迷いだろうと思って言及 しなかった。
お互い触ったりチューもしたけど、閉鎖的な空間やけんそう言う流れになったんだと思っとった。
だって…由宇も男の子。俺も男の子だからそんな関係にはならないって考えとったけん
震える…
由宇は男性が好き?
告白したいけん悩んだこともあったと。ばってん反応が怖くて言えんて…蓋しとった。
言ってもよかね?由宇
でも、失恋したてに言うってズルかよね?迷う
臣の心臓はさらに早くドキドキが止まらなかった
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