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イチャイチャ
見本のポスターを2人は指差し合い
「こんなにあると迷っちゃうよな」
「ほんとやね。イチゴのも美味しそうだしブドウも美味しそう」
「オレ、パインが気になる。あーでも、なんだかんだでやっぱりリンゴが無難かな?」
「ふふ。じゃあシェアするばい」
「賛成」
2人がイチャつくその様子を何人かの女の子たちが見つめ、口々に
「可愛いー」と呟いているのが聞こえ、由宇は耳を赤に染めた
「恥ずい…」
「よかよか。言わせておけばよかよ」
買ったキャンディーと飲み物を2人は受け取り、フードコートの机に隣同士に座り
「うまかー。ほら、由宇あーん」
「ん。甘酸っぱくてうまー」
あーなんか幸せかも。
人の視線も気になるけど、今はそんなんより目の前のキャンディー
「これ、たぶんむーちゃんも好きそうやけん。教えてあげるとよ」
「むーちゃん…周防 さんだっけ?」
「そうそう、実はスイーツ男子やけんね」
「知らなかった」
「話してみるとおもしろかよ」
「ちょっとあのテンション疲れるんだけど楽しい人だよな?」
「うん。いま大学院行っとるって言っとったばい」
「大学院?」
「うん。修士課程」
「へぇ。じゃあいま少年棟にいないってこと?」
「おるとよ。働きながら2年か3年とか言ってた気がすると」
「うわったいへんそう…顔、見てこっかなぁ」
「喜ぶとよ」
2人は仲良く病院へと帰り着いた
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