14 / 252

秘訣

食堂の隅のひとつのテーブルに瀬谷と祖父江、真尾とで座り3人は休憩を取っていた。 「2人とも同じメニューなのかい?変わらず仲良しだね」 「味の好みが似ているんです、ね?」 「ああ」 「しかし、それだけ仲が良くても宵くんはヤキモチを妬くんだね?」 「え?」 「さっき、周防に妬いていたろ?きみ。無自覚かい?」 「そ、それは…だって。2人仲いいですから」 「妬くようなことは2人ではしていない」 「してたら許しません」 「まあまあ喧嘩しないよ?ちなみに交際何年だ?」 「え?」 「何年一緒にいる?」 瀬谷に聞かれて真尾は顔を朱に染め 「18年…でしょうか」 「途中、別れてた時期があるから実質15だな」 「長いね。俺はまだ奥さんと始まったばかりだから尊敬するよ」 「すぐだよ、すぐ」 「そうなのかい?」 「別れてた3年は長かったですけど、その前の10年もその後の5年もあっという間でしたね」 「ああ」 「何か秘訣があったりするのかい?」 「んー、あるにはあるがな朱雀には参考にならんぞ?」 「それはどういう?」 「え…ちょ、それをこんなとこで言っちゃ…」 「気にするな。誰も聞いちゃいない」 「なんなんだ?気になるじゃないか。教えてくれ」 ためらう真尾を不思議がり、瀬谷は説明を求めた

ともだちにシェアしよう!