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お仕置き!?なんでやねんっ
マンションが見え始めた頃、祖父江は鏡越しに見える雅宗と雫を見据え
「もうすぐ着く。雅宗、着いたらお仕置きな」
「へ?な、なんでお仕置きされなあかんねん!なんも悪いことしてへんのにっ。横暴やで」
「雫か俺の許可とらずにイったろ?それはいい子のすることじゃない。雫も雅宗もちゃんと躾けろ。何年この関係でいると思ってる」
「う…すみません。ついつい俺は雅宗を甘やかしちゃうから」
「ネコをしっかり躾けるのもタチのつとめだ。忘れるな」
「はい」
「な、なぁ、俺…何されるん?痛いんはいややで?」
「おまえがいいって言うことをやってもなんのお仕置きにもならんだろうが」
「う…、怖い……先輩…あいつ、怖いで」
雅宗は雫にすがり、雫は雅宗の頭を撫で
「はいはい、頑張ろうね」
「先輩〜、味方してくれへんの?」
「俺は実継先生から修行を受けている最中だから、助けてあげられません」
「俺、逃げ場無いやん。こうなったら宵さんに助けてもらお。突然来て実継さんが俺にどうこうするやなんて聞いたら宵さんかて怒るはずやで」
ぶつぶつつぶやく雅宗を見て、実継はふっと笑い「甘いな…」
車のエンジンを切った。
「着いた。行くぞ」
「行くぞって…お股びちゃびちゃなんやけど?歩け言うん?」
「わがままなお姫さまだな…おまえは。俺もそこまで鬼じゃないから、かついでやる」
実継は後部座席を開け、雅宗の腹を肩に乗せ俵持ちすると歩き出し、雫はその後ろを着いて歩いた。
「わ〜っ、またこの運び方!!なんでやねんっもうちょい丁寧に運んでやっ」
「うるさい。落とすぞ」
「う…」
雅宗はしゅんと大人しくなり、そのまま最上階まで担がれていった
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