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むーのはじめての日
ええなぁ、千早にまーちゃん。まさに青春って感じやで
2人ともぴゅあすぎてニヤついてまうわ
日中の真白と千早を思い出して雅宗はナースステーションに帰ってからもニヤニヤと笑い顔を浮かべ、ニヤつく雅宗を不思議に思い雫は雅宗の両頬をつまみ
「なにをデレてんのかな?雅宗は」
「いでで。何すんねんっしー先輩!」
「だって、だらしない顔してんだもん」
「んな!一応、イケメンナースマンって給食委員会で言われとるんやでっ」
「はいはい」
「うーわっ。適当にあしらいよったな。むっ」
幼い子のように頬を膨らませ雅宗が怒ると、雫はその両頬を手で挟んで膨らみを凹ませ
「ぶふっ」
「むーちゃん、ぶっちゃいく」
「はぁーんっ?あんたがぶっちゃいくにさせてんのやろ!せっかくええ気分やったのに腹立つわぁ」
2人のやりとりを師長デスクから眺めていた宵は、右手で口元を隠してクスクスと笑い
「なかよしさんですね?」
「なかよし!?宵師長〜?何をどう見たらなかよしに見えんねん?どう考えても後輩いじりやん。しー先輩の査定考課表 に一筆書いてや」
「ん?後輩とのコミュニケーションをよく取っていますって書けばいいのかな?周防」
「ちゃう〜。後輩に対する態度に難ありって!」
「牟呂、きみは後輩をいじめているのかな?本人はそう言っていますけど」
「まさか。なかよくしているだけですよ。最近
構ってなかったからすねているんだと思います」
「すねてへん〜っ」
「素直じゃないなぁ、雅宗。大学生の時は可愛いかったのに」
しみじみ語る雫に興味を示し、宵は雅宗と雫の顔を見比べ
「学生の時は可愛いかったの?見てみたかったですね、それは」
「めっちゃ可愛いかったですよ。俺のすぐ後ろをいっつもくっついて歩いてて。聞いてくれます?」
「はい、聞かせてください」
「いややーっ。聞かんといて〜」
「むーちゃん黙って。俺と雅宗の出会いは…」
嫌がる雅宗を隅に追いやり、雫は椅子に座り昔話を始めた
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