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対面
「ふー…」
「どうした?宵」
「ドキドキします…もうすぐ20時です」
「お兄さんに会うだけだろ?」
「だって…実継さんと明にぃがお友達って聞いた時は驚きました。明にぃだって驚くはずです。しかも…それを隠しての状態でお付き合い2年目ですよ?怒られます」
「いいじゃないか。明くんにおしおきをされたがっていたっていう過去があるんだから」
「過去です。実継さんいるのに明にぃにおしおきしてもらおうなんて思いませんっ」
「怒ったか?はは、可愛いな。あ、宵来たぞ」
実継が手をあげると驚いた表情の明が立ちつくしていた
「実くん!?」
「明にぃ!」
「明くん、久しぶり」
「え…なんで…」
「僕の大切な人です」
「ちょ。待って…頭が整理つかない」
「とりあえず座れ」
「あ、うん」
「驚き…ましたよね?」
「いつから?」
「2年目になります」
「いつの間に…その、痛くはなかった?」
「痛かったけど…気持ちよくて幸せでした」
「そう…俺の相手ははじめての時は大泣きしてたから」
「明くん、そんなに下手なのか?」
「下手じゃないのは見てるから知ってるだろ。いわゆるカルチャーショックだったらしい」
「ふふ。本当にお友達なんですね?」
嬉しそうに話す宵の頭を実継は優しく撫で
「そ。ここを明くんに教えたのも俺だしな」
「そうだったんですね」
「宵…実くんと仲良しな感じがする」
「はい、仲良しですよ。だから安心して研修に行ってくださいね?2人で待ってますから」
「お前の宵は俺が責任持って大切にするから任せてくれ」
「分かった。頼むよ、実くん」
「明くんの恋人は気にかけてやらなくて大丈夫か?」
「んー…シャイな子だからね、同性と交際しているのは誰にも言いたくないらしい。だから、今まで実くんにも朱雀くんにも会わせてない。いずれ、彼の決心がついたら会わせるよ」
と、言いつつ…帰国したら詩乃は来なかった。
そのかわり…じゃないが理央と出会った。
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