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宵さん、世話をされる

ゴーと音を出しながら実継は宵の髪の毛を丁寧に乾かしていた。 宵は開けてもらった缶チューハイをコクコクと喉を鳴らして飲み、幸せそうに目を細めた 「おいし」 「宵さん、お姫さまですね」 「宵の兄が面倒見がよくてな。だからこうやって手を焼いてあげないと、めちゃくちゃなことになる」 「宵さん、弟なんや!俺も弟やで」 「なんか想像がつきますね、可愛いがられてる宵さん」 「よし、いいぞ。乾いた」 カチっとドライヤーの電源を落として机下に戻すと宵の頬に手を添え 「保湿剤塗ったか?」 「はい。塗りました」 「背中は?」 「あ…まだ、です」 「背中浮かせて」 「はい」 宵は前屈みになり実継の動きを待ち、実継は保湿剤のボトルを出すと宵のパジャマの中に手を入れ背中に保湿剤を塗った 「はい、塗れた。おしまい」 塗られ終わると、宵は実継に抱きつき 「ありがとう、実継さん」 「はいね、どういたしまして」 「そういえばこの子たちはこんな日付けも変わる頃にどうしたの?明日、おやすみだからいいけどちょっとびっくりです」 「報告に来てん」 「報告?」 「ん。M's行ったらな?西先輩と東間先輩がいてて、最初俺、しー先輩を抱いてたんやけど、なんかうまくいかんくてそうこうしてたらなんか先輩らとええ感じになって俺は西先輩にしー先輩は東間先輩に抱かれてもうた」 「え…そうなの…なんて言ったらいいか…その、雫はネコちゃんやれるんですね?」 「一応、リバなんでできますよ」 「なんか…信じられませんね?ね?実継さん。見たいな。雫のネコちゃん」 宵は雫をチラッと見て実継に視線を移しおねだりした。

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