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怒る実継

慌てて宵と雅宗は雫から指を抜き 「ちょっとイタズラしただけです。充分ナカは柔らかかったし、痛くはしてませんっ」 「こーらっ。いじめの言い訳するな。ごめんなさいは?」 「やだ。悪いことしてません。実継さんだって僕に同じようなことしました!」 「雫は雅宗の。他人のパートナーに寝てるうちに指挿れするとか悪いことだろ。ちなみに俺はおまえのパートナーだから問題はない」 「実継さんだけずるいです」 「え…え、ちょ…何揉めてるん?」 「おまえのパートナーに悪さするから」 「あー…だめやったん?てか、俺が言いだしっぺやし。あんたが起きてすぐしー先輩とヤれるようにお膳立てしたつもりやったんやけど」 「まったく…。泣いてかわいそうに。雫、大丈夫か?」 「う…ぅう…実継さん…っ」 「おいで」 「ん…」 雫は甘えるように実継に抱きつき 「驚いたな?」 「…ん。びっくりした」 「なあなあ、夕べしー先輩が寝とるとこプラグ抜いたんやろ?あんたかてやっとるやん」 「あらかじめ伝えられてヤられるのと、何も知らずにヤられるのじゃ違うだろ?」 「うー、まぁそやな。えと、ごめんなさい」 「宵はお仕置き。今日のえっちはお預けな。いいな?」 「え…まる1日?」 「不満か?」 「だ、だって…」 「すみっこで見学。我慢」 「は…はい。頑張ります」 とぼとぼとベッドの隅に行き、宵は体操座りをし 「雫、ちょっと待ってろよ?」 「うん」 「雅宗っ。おまえは宵の隣で正座して見てろ」 「え…正座……」 「反省」 「はい…」 しゅんとうなだれて雅宗は宵の隣に正座で座り、遠慮がちに雫を見つめた。

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