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臣、23才 再入院

臣と由宇の2人がはじめてを迎える数ヶ月前のことー 「え?臣くんら再入院やて?」 今しがた聞いた情報に雅宗は驚き、宵は辛そうな表情を浮かべて臣の再入院を伝えた。 「そう。今、外来から病棟にあがってくるよ。すっごくご機嫌ななめみたいだから気をつけてくださいね」 その情報からしばらくして、俵のように実継に(かつ)がれて運ばれ、叫ぶ臣の姿が少年棟に現れた。 「いやーっ離してーっ!先生ーっっ」 「ちょ…せ、先生。何もそんな俵みたいに担いで連れてこんくてもええやんっ」 まさか宵さん運ぶん以外はこの人、みんな俵担ぎしとるんやないやろうな? 雅宗の怒りの訴えにカチンときた実継は雅宗をにらみ 「仕方ないだろ歩く気がない。車椅子に乗せようとしたら暴れてくれてな。鎮静かけてデロンデロンにしてストレッチャーで運べばよかったか? 「あ、いや…それは可哀想やからあかんわ。分かった。仕方なかったんやな」 「分かったなら、経鼻チューブ挿れるから手伝え周防。処置3に行く」 「わ、分かったで」 雅宗は実継に付いて歩き、付いてくる雅宗の姿に気がついた臣は雅宗に向かって両手を伸ばし 「むーちゃんっ助けてーっ」 「堪忍やで?臣くん。なんで再入院なんか知らんけど、再入院が必要みたいやから頑張りぃ」 片手を伸ばして臣の手を雅宗は握り、臣を励ました

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