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ちぃちゃん、摘便に泣く
目の前にいる看護師が放った言葉が信じられなくて千早は固まっていた。
固まったまま動かない千早に雅宗は首を傾げながら千早に近づいて顔をのぞきこみ
「ちーはや?聞こえた?お耳遠いわけやないよな?脱いでや」
「な、なんで…や…やだ」
ぷいっと千早は雅宗から視線をそらした
「やだかぁ。ほんなら無理矢理脱がすことになるなぁ。でもな、周防さん無理矢理するんはあんま好きやないねん。悪いこと言わへんから自分で脱いでくれへん?」
「こ…怖いぃっ。なんで、はじめましての人の前で脱がないといけない?」
千早は雅宗が怖くてベッドの端にハイハイしてなるべく雅宗から遠ざかりヘッド部分のボードを掴み、雅宗に背を向けた。
「んー…困ったで。先生の指示やねん」
「紫藤先生?」
「んーん。ちゃうで。祖父江実継センセ。新しく担当になったセンセな。まだ会っとらん?」
「うん」
「午後に処置3で治療予定みたいやから、その前準備でお腹ン中を綺麗にしとかないかんねんな。せやから避けては通れんねん」
「お腹ン中綺麗…って何する気?」
「掻き出すねん。さ、話しとっても先に進まれへんし早よ脱いでや」
「かきだす…かきだすの!?やだーっっ」
雅宗がやろうとしていることを理解して千早は雅宗の方を向いて必死に首を左右に振った。
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